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厳しい中に優しさを持つ重要性

織田信長に学ぶ、

山中で信長は身体に障害のある者が雨露に打たれて乞食をしていたのを見た。いつも変わらずに同じ場所にいるのを不審に思い、町の者に尋ねた。町の者はその由来を答えた。「昔、この山中の宿で常盤御前を殺しました。その報いで、殺した者の子孫は代々体に障害をもってあのように乞食をしています。」

信長は、町人に木綿二十反を預け、「この木綿の半分を費用に充てて小屋を作り、この者を住まわせて、飢え死にしないように面倒を見てやれ。収穫後に負担にならぬ程度に少しづつこの者に与えてくれれば信長はうれしく思う。」と言った。

(解説)

信長にはこんなに温かいエピソードがあるのだ。厳しさの中にあるやさしさ。これもまた信長の魅力と言えるだろう。

この子孫は自分の責任で障害を追っているわけではない。むしろ先祖の業を背負わされているのだ。本人に責任がないのに、この仕打ちは可哀そうだと思ったに違いない。本人に責任がある場合、信長はここまでしてくれたかと思うと疑問だ。

そして、信長がお金(木綿二十反)を渡し、「小屋を作って済ませてやれ、あとは飢え死にしないように面倒を見てやれ」という。さらに信長が渡した財産では少ないだろうから、「麦の収穫が合ったら麦を一度、秋の収穫後には米を一度、一年に二度ずつ毎年、負担にならない程度に与えてくれると嬉しい」と言うのだ。これは住民も意気を感じることだろう。

全員ではないが、大会社の社長さんは、ただ厳しいだけの人は少ないような気がする。確かに厳しいことは厳しいのだ。だが、何となく心温まる言葉も忘れずかけてくれる。厳しい言葉の中にも、筋が通っていて、何か暖かいのだ。そもそも厳しいだけの人が大企業の社長まで上り詰めるのも難しいだろう。ある程度人からの支持を集めないと頂点にまではなかなかなれない。

どちらかと言えば、中途半端に大きい会社の方が、ただ厳しいだけの社長を見かける。ただ、どう考えても守銭奴にしか見えないのもこういうタイプである。もちろん暖かいとか、甘いだけで、厳しさのない人は会社を大きくできない。このような人は、自分に対しても甘いし、人に厳しくなれないというのは、人に気を使わざるを得ない弱い人だ。どことなく自分に自信がないのかもしれない。

厳しいだけの人は、自分には甘く、他人に対してだけ厳しい。甘い人は、全員に対して何となく緩い。厳しさがないから、売上を上げることができない。厳しさの中にやさしさを持っている人は、自分に対しても厳しい。

[教訓]

〇厳しさの中にやさしさを持て。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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