織田信長に学ぶ、
「人は心と気を働かすことをもって良しとするものだ。用を言いつけられなかったからといって、そのまま退出するようでは役に立たない。その点、お前は塵に気付いて拾った。なかなか感心である。」
(解説)
将たるものは、仕事を自分で探せ、ということもあるが、ここでは、目配り、気配り、心配りをせよということだ。おそらく信長に会える身分と言うことは雑兵ではない、将、つまりミドルマネジメントだ。この3つができる人は、やさしい人間であり、仕事ができる人間であり、将であるにふさわしい。
目配り:自分のことばかりでなく、周囲にも目を向けられる余裕を持て。
気配り:相手のことを考えて行動せよ。自己中心的にはなるな。
心配り:協力しようという気持ちを持て、同僚や部下が困っていたら見て見ぬふりをせずに率先して手を差し伸べよ。
と、まあこんな感じだろう。それを信長のところに目通りしたときに、将が、用を言いつけられずに出ていくときに、そのまま退出せずに、塵に気づいて拾ったことを関心していた、つまり将としての資格ありと感じたのだ。
雑兵であれば、どうしても、自分のことで精いっぱいになって周囲に目を向ける余裕もなければ、自分で精いっぱいだからどうしても相手のことを考えて行動なんてできやしない。ましてや部下や同僚が困っていても、その前に自分が困ってしまってそれどころではないのだ。
今までやったことがないことの場合は、自分が精一杯になっても仕方がないから、早めに仕事に慣れて、余裕を持つことが先決だろう。そうした上で、常日頃周囲を観察できるようにして、相手が喜ぶことを先回りでしてあげる。仮に相手がどうすれば喜ぶかわからないときは、自分が相手の立場だったら、今どこが困っているのだろうと想像してみることだ。
それでもわからないときは、直接「何困っているんだい?手伝おうか。」の一言で良い。同僚からの一言でずいぶん救われる。人間、プライドがあるから、中々泣き言を言わない。わからないときには、泣き言は言わなくていいから、自分がなぜその仕事ができないかを分析して、自分に足りないところ、自分が足りていることをリスト化し、自分に足りないところだけを同僚に依頼すると良い。何から何までできませんだと、助けようがない。
目配り、気配り、心配りの精神は、営業活動にも応用できる。常にお客様の立場に立って考えれば、お客様のニーズもわかり、お客様が喜んでくれて、悩みを解決してあげれば、喜んでお客様になってくれる。これを意識してやってみよう。物事の大半が解決する。
[教訓]
〇目配り、気配り、心配り。相手の気持ちに立って行動せよ。
〇目配り、気配り、心配りは営業活動にも使える。お客様の立場に立って、悩みを解決してあげよう。喜んでお客様になってくれる。