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目標の達成の仕方

織田信長に学ぶ、

軍勢を整えた信長は、一気に小谷城の近くまで進む。始めて見る小谷城は琵琶湖からの比高約300メートルの要害だった。力攻めをかけても、たやすくは攻めきれそうもない。信長はここで作戦を変更し、長期戦を覚悟。そのための足掛かりを作ることにした。そして新たな攻略目標は小谷の南方約9キロメートルの位置にある横山城だった。

1570年6月28日、姉川をはさんで向かい合った織田・徳川と朝倉・浅井陣営は激突した。遮蔽物のない平地の戦いのため、兵力に勝る方が有利に展開する。織田・徳川は2万、朝倉・浅井軍は1万4千ほど。

浅井・朝倉連合軍の陣形が伸び切っているのを見て家康は側面から攻撃。朝倉・浅井軍は敗走する。信長はひとまず横山城を手に入れた。

(解説)

力攻めをしても小谷城を攻めきれないと判断し、長期戦を覚悟したとある。企業においては、事業計画書で立てた売上目標が達成不可能と言うことで、下方修正して、もう少し時間をかけるといえる。力攻めというと広告宣伝費をかけたり、予想売上に応じてアルバイトを補強し、育成するために配置したものの、それだけの売上が見込めなければ、ひとまず広告宣伝予算を減らし、アルバイトの稼働数を減らすことで対処するということになる、

目標を高めに設定することは何ら悪いことではないが、そうは言っても思い通りに売り上げが上がるとは限らない。そこで、売上の下方修正を図る。これによって、手に届く目標設定にし、クリアするハードルを下げる。下げたとしても目標達成したことには変わりがないから、達成したことでモチベーションは上がる。これでやる気を持続するのだ。最初から不可能な目標を設定してしまうと、達成できずにやる気の持続ができなくなる。

次に遮蔽物のない平地の戦いだと数が多い方が有利とある。相手の戦況が良く見える、つまり力関係がどちらも把握しやすいということだ。圧倒的な差があることが明確であれば、遮蔽物のある土地で戦う必要がある。いわゆるゲリラ戦だ。企業では、いつ、どうやって攻めてくるかわからないようにすればよいと思う。もちろん競合相手に攻めるのではなく、あくまでも顧客相手に告知するという意味だが、相手が見えないところで戦うという意味では、新規客への告知ではなく、自社のリピーター客への告知が、それにあたる。いかんせん競合他社にはまるで見えない。SNSでも使おうものなら、フォロワーにでもなってしまえば、どうやっているかはわかってしまうかもしれない。いわゆるスパイ行為と言うことになろうか。

[教訓]

〇目標達成が困難であれば、一度下方修正を行い、元々の売り上げ達成には長期戦を覚悟せよ。

〇目標を達成すればモチベーションが維持できる。下方修正をして達成感を味わった方が中長期的にメリットがある。

〇力差があると思ったら、ゲリラ戦に持ち込め、相手が見えない場所で戦うには、新規客ではなく、リピーターへの告知が良い。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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