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会社に役立つ効果的な人選法

織田信長に学ぶ、

「人を用ふるの者は、能否を択ぶべし、何ぞ新故を論ぜん。」

(解説)

信長らしい名言だ。経営者は従業員の能力で人材を選ぶべきであって、年長者だからといって上につけるべきではなく、新人がそれにふさわしいと思ったら抜擢せよ、と言うところだ。

日本の古臭い組織には中々起こりえないし、そもそも大学の新卒を入れたら、即戦力ではないのだし、これから育てようということなのだから、入社してすぐに能力を持って決めることはできない。だから、日本の古臭い組織のやり方は、決して間違っているとは言えない。ただ、若ければいいというわけでもないことは確かであり、信長の言葉は、純粋に、人材は能力で選べと解しておいた方が良いだろう。

能力で人を選んだと言えば、秀吉だ。元々最下層の出身者であり、木下藤吉郎と名乗っていたが、最初は今川氏の直臣である飯尾氏の配下の、引馬城支城の頭陀寺城主、松下之綱に仕えていたが、なまじ能力があったものだから、妬まれ、出ていくことになった。1555年に織田信長に小者として使え、清州城の普請奉行、台所奉行を引き受け、大きな成果を上げ次第に頭角を現していった。やはり有名な逸話は、信長の草履を懐に入れて温めておいたことで、信長に気に入られたと言われている。

最近は、会社に入っても、自分のやりたいことができないとか、下働きばかりさせられて不満だとかで、早期にやめてしまう人も多い。しかし給料とは働いてお金をもらうことであって、ろくに働けもしないのに、これは違うとか言い訳している場合ではない。であるならば、さっさと起業して、世の中に自分の実力を知らしめたほうがいい。

その人の能力なんてものは、一通り色々なことをやってみないとわからないことが多い。もちろん会社の方にこれをやってと言われて、配属後にやらされた仕事が、本当にその人に合っているのかと言うとそれもまた疑問だ。

自分のやりたい仕事があるならば、無給でもできるはずだ。まずはタダでもいい、安くてもいいから使ってもらって、次第に実力を表していけばいい。ただ、お金をもらうことを前提とすると、雇われ人になったら、会社の都合で働かざるを得ないことは理解しておくべきだ。だから、本当にやりたい仕事があって、そのやりたい仕事だけをしていたいというのであれば、自分で起業するしかない。

能力というものは認めてもらうものではない、認めさせるものなのだ。一番いいのは顧客相手にチャレンジすることだ。顧客は上司以上にシビアだ。

[教訓]

〇人は能力で選べ。

〇自分のやりたいことで食べていくならば、最初から起業するしかない。

〇自分のやりたいことが、入社した企業で配属されるとは限らない。

〇自分のやりたいことであれば、最初のうちは無給だっていいはずだ。なら起業はベストの選択肢だ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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