織田信長に学ぶ、
「戦に勝るかどうかと兵力は必ずしも比例しない。比例するかそうでないかは戦術、つまり自身にかかっているのだ。」
(解説)
兵の絶対数が勝利を決めるわけではない。兵が少なくても、兵が多い軍団に勝つことができる。強さは戦術(自身)にかかっている。
戦国時代においては、兵士の格好をして兵士として動員されていても、兵士としてあまり訓練がされていない農民であることもある。戦場に出れば、生きるか死ぬかだから深く悩んではいられないが、いきなり戦場に出されたからと言って、人を殺せるのだろうか。
兵士として訓練され、さらに人を斬ったことのある兵士ならばともかく、一般の農民がすぐさま戦力になるとは思えない。仮に戦力となったとしても、体格、体力、熟練度、もう一つ大事なこと、モチベーションの差はいかんともし難いものがある。だから兵士は数ではないのだ。
上の文章によると、兵士の力量と戦術がイコールで結ばれている。同じものとして考えることも、別のものとして考えることもできると思う。
同じことを同じようにやっていたら、大企業には絶対にかなわない。同じことを同じようにやらない、これは戦術と言える。ここで地元に一店舗しかないイタリア料理店と、全国規模で展開しているイタリア料理のチェーン店を例として考えてみよう。同じ商品を同じように扱っていたとしたら、絶対にかなわないから、まず顧客ターゲットを変更しなければならない。チェーン店には安さでもブランド力でもかなわない。ここでは安さを選択する顧客を捨て、本格派か、あるいはあなたの店の独特の味付け等差別化に惹かれる顧客を相手にするとしよう。
それでも店舗の広さやお客の回転数もあるし、どう考えても売上ではかなわないのは百も承知だ。しかし、自店に来てくれるお客様は、チェーン店の味には惹かれないだろう。仮に普段はチェーン店を利用してくれてもかなわない。なんかの記念日だけの利用でも、1か月に1回の利用でもいい。それでもその日だけは、あなたの店を選んでくれたのだから、それはそれで勝ったと言ってしまってよいのではないか。
別にチェーン店をそこから追い出す必要はない。大切なことは、あなたがその店をその場所で継続できること、これが即ち勝つということなのだ。また、いくらチェーン店といっても顧客対応するのはアルバイトだ。時給いくらでバイト代が手に入る。別にお客に好かれようなんてモチベーションもない。しかしあなたの店のあなた自身は、そのお客様に対して精一杯のおもてなしをするだろう。お客さまとしてはその方がうれしいのではないだろうか。だからモチベーションと言う意味でもあなたの方が勝っているのだ。
[教訓]
〇競合店に対して、別の顧客ターゲットに攻める。これは戦術である。
〇競合店のアルバイトと、生活が懸かっているあなた、どちらがお客様に対しておもてなしをするモチベーションが高いかと言うとあなた。
〇店の大きさやアルバイトの数だけで勝ち負けが決まるわけではない。