「時勢に応じて自分を変革しろ」
(解説)
自分を変えられない人間は絶対に成功しない。組織においても同様だ。多くの企業は短期的な利益を出すことはできるが、持続的成長を描ける組織は数少ない。商品やサービスは新規参入者にコピーされる。しかし組織だけは真似られない。
勝ち続ける組織について、サッカー元日本代表監督の岡田武史氏は、常に変化し続けることの重要さをこう説く。「進歩より前に変化することが大事。たとえ組織は進歩しなくてもいい。でも変化しなきゃいけない。変化しないと、組織はどんどんだめになっていく」
持続的成長を可能にする組織が自己変革力を持つための条件は3つある。
(a) 長い時間軸を持つ:「10年先と現在」を併せ見る
(b) 自ら気づき、変化する:平時から危機感を持って自ら変わることができる
(c) 変革を継続する:組織の学習により再現性を高め、変革を継続する
10年先と一歩先を同時に見ることができるかどうか。特に10年先の見方としては、時間を超えて変わらない企業哲学を持っているか、長期的ビジョンを持っているか、さらには足元の変化に敏感かどうかだ。不確実な時代だからこそ、自らあるべき未来を確定しなければならない。3年の中期経営計画で満足していてはいけない。
利益が上がっていて、順風満帆なときに、常に組織に危機感を持っていられるかどうかだ。業績が低迷したときには危機感を誰でも持てるが、そうでないときに危機感を持ち続けるのは難しい。どこかの会社が危機的な状況に陥った。他の業界が落ち目だ、そういったことを明日は我が身と思えるかどうかである。そもそも不確実で、先が読めないからこそ、今までのやり方が通用するとは限らない、その点は顧客ニーズを先取りして、それを基に組織を変革していかなければならない。
また、変革の継続には、組織としての学習能力が鍵を握る。それには、変わりゆく顧客ニーズを常に吸い上げることがカギである。その顧客ニーズに追随するためには、何をしたらよいかを組織で考え、常に新しいことにチャレンジするマインドを育てるのだ。つまり挑戦する組織を作るということだ。
[教訓]
〇十年先と足元を同時に観察する眼を持て。
〇自己変革力を持つ組織を築け。それが持続的成長を生む。