「丸くとも 一かどあれや人心 あまりまろきは ころびやすきぞ」
(解説)
丸い性格とは、おっとりしていて物静かで穏やかで誰に対しても当たり障りもなくなじみやすくて、人に対してきつく当たらない温和な性格と言ったところか。気性の荒い又は気が強く、空気と場所を読まないで自分が言いたい事をズバズバ言ったり、わがままなで生意気で猛々しい行動を振る舞う人とはまさに逆な性格の持ち主であるということになるが、それは少し極端な例。
丸い性格だと転んでしまって、かえって落ち着きどころがないから、ストッパーになりうる角があった方がいいということだ。
リーダーも同様で、おっとり型で物静か、穏やかで誰に対しても当たり障りもない、人にきつく当たらないということになるとマネジメントどころではない。聞き分けの良い従業員ばかりではない。給料を払っているのに、権利を主張してくる奴が少なくない。場合によってはやりたくない仕事を、完全にやらないわけではないが、手抜きをしてくる奴だっている。その手抜きで顧客に迷惑をかける、顧客に迷惑をかけないために他の同僚が迷惑を蒙るようなことだってある。そのようなときには、ガツンと注意しなければならないことも出てくる。常に怖そうな態度もなんだが、優しすぎるのも考え物である。しかし、普段、なじみやすいというのは決して悪いことではない。
当然、角がありすぎなリーダーに対してもスタッフはついて行かなくなってしまう。つまり、気性が荒く、空気を読まずに好き勝手なことを言い、わがまま、生意気、猛々しい行動を取るリーダーを想像しよう。これではマネジメントにならない。
それ故、基本は真ん丸なのだが、一つだけ角がある、それがリーダーとして望ましいキャラクターなのだと思う。基本的には親しみやすくないといけないが、舐められてもいけない。その加減が難しいのだ。
[教訓]
〇性格は丸いが、一角あるくらいがリーダーとして望ましい。