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時と場合に応じては、義理に拘ってはならぬ

「義理などは夢にも思ふことなかれ 身をしばらるるものなり。」

 

(解説)

義理とは、物事の正しい道筋。対人関係や社会関係において、守るべき道理という意味だが、上記の龍馬の言葉は、「義理というものに拘るな。身動きが取れなくなるよ。」という意味で捉えておけばよいだろう。

 

身動きという例ではないが、世間的に言う義理チョコも無駄な風習だ。会社で旦那のいる奥さんから、奥さんのいる旦那がもらっても嬉しいことは何一つないし、逆にお返しの方が大変だ。何ももらわない方がいい。

 

人間関係がドライだと思われるかもしれないが、仮にお世話になった人がいたからと言って、その人に対してご恩返しをしなければならないと考えなくてもよいだろう。もちろんご恩返しはいいことだと思うが、過度なご恩返しを避けるべきという意味だ。

 

以前、出資をしてくださって、そのおかげで今の会社があるとする。ここでは1,000万円の出資としておこうか。その出資者の会社が倒産しそうになって、2億円あれば助けられるとする。そこで、その恩義を返すために、2億円を自社で用立てて、支払ってあげることがいいことなのかどうかということである。

 

自社の財務状態を悪化させることになり、ひいては自社の従業員に迷惑をかけることにもなりかねない。だからと言って1,000万円だけ返せばいい、というわけでもない。2億円を出資した、あるいはお金を貸したから、その会社が復活するとも言い切れない。死に金になってしまうかもしれない。

 

一度恩を売ると、その恩を返してもらおうと目をギラギラさせてくる人だったら目も当てられない。「あの時助けてやっただろう」と借金取りのように電話がかかってくる。それとこれとは違うとも言い切れない。ひょっとして、潰してしまった方が良い会社だってあるはずだ。だからあまり義理に縛られすぎるなと言うことだ。どこかで恩返ししてあげればいい。

 

[教訓]

〇義理に拘るな。身動きが取れなくなる。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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