「雨が降ってきたからって走ることはない。走ったって、先も雨だ。」
(解説)
数キロ離れると、雨が降っていたり、晴れていたりする。天気とは不思議だ。
この時代の移動手段は、人力車や、籠、馬はあったろうが、普通の人にとって、足が唯一の交通機関であったであろう。雨が降ってきたら、軒下まで避難するために走るのはよいが、そうでない場合には人間の足の行けるところはどこも雨なんだから、焦るなということだ。
ビジネスも似たところがある。天気が悪くなると、しばらく悪い。ここで少しでも急げば晴れ間がのぞくのではないかと思ったところで、どこまで言っても雨模様。ぬかるんだ道で滑ったりして転んだら、余計にひどくなるから、雨を全身で浴びて、よく考えてみよう。なぜうまくいかないかを。冬でなければ、雨にぬられても風邪はひかない。さらに言えば、水も滴るいい男だ、ということで自分を納得させてもいい。もっともいい女でもあるらしい。男女ともに仕える諺なのだ。
一番ビジネスでやってはいけないのは慌てること、パニックに陥ると悪い方向へと進んでしまう。まずは立ち止まるかゆっくり進むことが大切である。例えば、不祥事が起きたときには、急いでアクションを起こすよりも、原因究明中といって、時間を稼ぐことが重要だ。結論を遅らせようということではない。人の生命にかかわることであれば、急がなければならないことは当然だ。
まずは被害を最小限に抑えるために、情報告知をする。ある電化製品で出火したときには、その電化製品を使わないように呼び掛けるのが先で、その原因調査を速やかに行い、問題点が明確になったときに、今後の対応策、つまり電化製品の回収だが、始めてアナウンスすればよい。会社自体がパニックになってしまってはいけない。
[教訓]
〇ビジネスで失敗をしたら、先ずは立ち止まれ。