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老獪と純情の使い分け。老獪をトランプ大統領を例に考えてみる。

「古来、英雄豪傑とは、老獪と純情の使いわけのうまい男をいうのだ。」

 

(解説)

老獪とは様々な経験を積み、悪賢いことができること。純情とは素直で邪心のない心。利益・策略を離れて、いちずに寄せる人情・愛情のこと。老獪というと悪者のようなイメージがあるが、リーダーとしては、交渉事で相手を騙すとまでは言わないが、相手を自分の思い通りに動かすような悪賢さを持っていなければならない。むしろ駆け引きにたけているということだ。この意味で、近年、老獪なリーダーに当たるのは、アメリカのトランプ大統領ではないだろうか。

 

さて、トランプ氏の交渉術の特徴は以下の3点があると言われている。

  • 高い要求から始める
  • 相手を攻撃する
  • 非常識な発言で注目を集める。

 

高い要求から始めるのはまさに、交渉術のセオリーである。恐らく不動産取引でも、まず自分に圧倒的な有利な値段を吹っ掛けたに違いない。ちなみに大統領選では、以下の3点を取り上げた。

・「イスラム教徒の外国人の一時入国禁止」

・「1100万人の不法移民の国外への強制送還」

・「メキシコ国境への壁の建設」

移民国家アメリカならぬ発言だっだ。

 

トランプ氏は自らの行動において、相手を攻撃することに重きを置いている。やられたらやり返すというより、やられる前に攻撃を仕掛けているように見える。米中貿易戦争である関税合戦は、米中の将来の覇権をかけて、トランプ氏が仕掛けたものだ。ただ、物事の本質を考えると、中国がアンフェアな国(民主主義国家ではない)であることに色々と問題があり、それで、中国の経済力をアメリカが凌駕することがあれば、軍事力も中国が一番強くなることになるため、アメリカは当然看過できない。

 

上記の大統領選で用いた発言も、注目を集めるための道具として扱っている。しかもアメリカ企業に中国から撤退せよ、という発言も否が応でも注目を集める。加えて、在日米軍の費用を全部日本に負担させるという発言も同様だ。まさに高い要求でもある。

 

以前、トランプ氏が自伝の中で「私がマスコミについて分かったことの1つは、彼らはよい(面白い)話にいつも飢えていて、そしてそれはよりセンセーショナルなほうがよいということ。もしあなたが(他人と)少し違っていたら、あるいは少し常軌を逸していたら、あるいは大胆あるいは物議を醸すようなことをしたら、マスコミはあなたについて書いてくれるということだ」と書いているが、このことでもマスコミを上手く使っていると言ってよい。

 

トランプ氏の交渉術からは学ぶべきことが多い。

 

[教訓]

〇リーダーは駆け引き上手であれ。

〇交渉術のポイント。①高い要求から始める。②相手を攻撃する。非常識な発言で注目を集める。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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