「相手を説得する場合、激しい言葉をつかってはならぬ。結局は恨まれるだけで物事が成就できない。」
(解説)
相手を論破することに快感を覚える人もいるようだ。論破する方は確かに弁が立つし、論破される方は理論構成ができていないとか、弁が立たない。でも納得できないことの方が多いと思う。人間、論破されても自分の心の中までは変えられない。
論破する方が実は詭弁を使っている場合はさらにだ。こちらの言い分の方が正しくても、詭弁はその結論をひっくり返す。議論をする時は発言が多い方がよりリスクを曝している。発言が少ない方は聞き手に回って、相手の粗だけを探すことに専念できる。
テレビのコメンテーターがたまに感情的になって発言し、言われた方が視聴者の感情を逆なでしないように、丁寧に取り扱わなければならない状況に陥ることがある。このとき感情的になった方が激しい言葉を浴びせるわけだが、だからと言って、言い返せない方が間違っているということにはならない。議論の中には言い返せない場の雰囲気というのもあるからだ。
相手の説得が必要な場面ほど、優しい言葉を用いた方がいい、教え諭すようにする。相手を言い負かしたって、変に恨みを買うだけだ。相手に納得してもらえなければ、表面上従ってくれても意味はない。どこかでまた従わなくなってしまうだけだ。
リーダーは物事を成就させるのが仕事である。部下に命令をきかせることはその一手段に過ぎない。命令するのではなく、お願いをせよ。心からの仕事には真心がこもり、ひいてはその商品やサービスを受け取ったときの顧客満足度が高まる。
[教訓]
〇相手は優しく教え諭せ。決して怒鳴ってはならぬ。