「事をなさんとすれば、智と勇と仁を蓄えねばならぬ。」
(解説)
これは孔子の『論語』からきている。それによると、「智の人は惑わず、仁の人は憂えず、勇の人は恐れず」とあり、「智者は事を為すにあたって少しも迷わない。仁者はくよくよ心配しない。勇者は何が起きても恐れることはない」と言っている。
勇者は心が強く道義にかないであるから、何事に対してもおそれないとして、「智」・「仁」とならんで「勇」を大いなる徳と見なし、「義を見てなさざるは勇なきなり」とも記している。
また、『中庸』には「好学近乎知、力行近乎仁、知恥近乎勇」とあって、「智仁勇の三者は天下の達徳なり」と述べ、「三達徳」(時代や身分を超えて、どんな場合にも通じる3つの徳)としている。
リーダーとはかくあるべしということである。人間は弱い生き物だから、常に強いものの庇護を必要とする。人間迷う者だから、迷わない人を強いと思う。「迷わない。心配しない。恐れない。」これこそリーダーの三ないというものだ。
リーダーが迷っていたり、どうなるか心配していたり、物事に怖がったりしていたら、凡人は心配になる。こんな人について行っても大丈夫だろうかと思ってしまう。
本当に自信があるのが望ましいと言えるが、カラ自信では困る。根拠がないのだが、上手く行くと思っている奴。根拠があればいいのだ。なにも恐れないバカと、恐れてはいるし、それに対応する準備ができているから恐れないのとは、わけが違う。
一見、これらは見分けがつかないが、根拠がなくて恐れないバカは、結果がまるで出ないから、ある一定の時期は無駄にするが、どこかで気づく。なるべく早く気付いた方がいい。これは怪しいと思ったら、なんで上手く行くかを訊ねてみると良い。根拠がないことがよくわかるし、根拠があっても何の科学的なモノでもないこともよくある。
とんでも科学を信じるのは勝手だが、そういう人はビジネス的にあんまりうまくいく人たちではない、所詮裏街道の人で、世間がいいと思っていない物をいいと思ってしまっている。つまり主流には立てない人なのだ。とんでも科学は根拠がないに等しい。
従い、根拠があって「迷わない。心配しない。恐れない。」これが真のリーダーである。
[教訓]
〇リーダーは根拠があって「迷わない。心配しない。恐れない。」