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基本、上司も部下も同レベルだと心得よ

帝舜は「臣下はわが股肱であり耳目だ。わしは力を尽くして人民を扶けようと思っている。お前は、わしを助けてくれ。またわしは古人にならって日・月・星辰の模様を刺繍した衣装を作ろうと思うが、お前はよく見てくれ。さらに、わしは六律・五声・八音の音楽を聴いて、政治を怠らないように五教を施こうと思うが、お前はよく聞いてくれ。わしが特に違うたなら、お前は正してくれ。けっして、わしの面前ではへつらいながら、陰でそしるようなことはしてくれるな。おまえは四輔の近臣だから、よく謹んでくれ。君徳があまねく及んだら、讒言誣告の嬖臣らも、自ずと清まるだろう」といった。禹は「誠にそうです。臣下の用い方が悪ければ、賢人も愚者も同列となり、効果はありません。」と応じた。

(解説)
股肱とは一番頼りとする部下のことであり、耳目とは、人の手先となって、見聞きした事を知らせる役のこと。

企業にありがちなのは、経営者に気を使って「目の前では諂って、新橋のガード下で思いっきり悪口を言って盛り上がる。そのくせ、酒の勢いを借りて改善策を宣うているだけで、実際に行動を起こすことはない。」

部下であるからと言って、会社経営にプラスになることであれば、どんどん進言すべきだ。ほとんど返されるが。実際はアクションを起こさなくても、一応経営者にリスクとして知らせておくだけでも効果はあると思う。

少なくとも経営者も信頼できる部下からのアドバイスは、聞く耳ぐらい持っておいた方がいい。そうすれば気が付かないことを伝えてくれることもある。

信用できない部下は、自分を取り入ってもらうために、経営者をヨイショしたり、あいつは裏切り者だの何だのと諫言誣告のオンパレードだろうが、信頼できる部下がまともなことを進言していれば、そのうち、そいつらの態度も変容してくる可能性はある。

最終的には、「臣下の用い方が悪ければ、賢人も愚者も同列となり、効果はありません。」といって締めくくっているが、仮にリーダーが賢者であっても、部下が愚者であり、その部下からの情報を入手していれば、リーダー自体も愚者になってしまう。愚者としての意思決定しかできなくなってしまうからだ。リーダーが賢人なら、部下も賢人ぞろいにしなければならない。

[教訓]
〇信頼できる部下からのアドバイスは、聞く耳は持っておくべきだ。自分の気づかないことを教えてくれる場合もある。
〇自己保身に走りがちな愚かな部下は抱えるな。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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