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リーダーは感情ではなく理屈で行動せよ

人が生まれて静かなのは天の性である。物に感じて動くのは、性の頌である。物が来れば智ともってよく之を知り、その後に好悪が現れる。好悪の情を内に節しなければ智は外物に誘われ、己にかえることができなければ天理が滅する。物が人を感じさせること極まりないのに、人に好悪の情を接することができないなら、これは物が来たって、人が物に化することである。人が物に化せられるのは、天理を滅して人欲を極めることである。ここに悖逆詐偽の心が興り、淫佚作乱の事が起こる。即ち強者は弱者を脅かし、多数が少数に乱暴し、智者は愚者を偽り、勇者は怯者を苦しめ、病人は療養できず、老・幼・孤・寡はその所を得ない。これは大乱になる道である。それゆえ先王は礼楽を制して、人々に節度を与えたのである。喪服と哭泣は葬式を節する所以であり、婚姻・冠笄は男女を分かつ所以であり、郷射・卿飲酒は交際を正す所以である。礼は民心を接し、楽は民声をやわらげ、政をもってこれを行い、刑ともってこれを守り、礼楽政刑が行き渡って悖らなければ王道が備わったと言える。

(解説)
ビジネスにおいて、好き嫌いという感情で意思決定をしてはならない。人間だから好き嫌いというのはあってよいのだが、例えば人を好き嫌いで選んでいたら、スタッフが人数揃わないこともあるだろう。客も好き嫌いで選んでいたら、売上が上がらない。好き嫌いを意思決定に反映させるのは経営が安定してからにしろ。概ね自分が好きな奴は自分と考え方が会う奴、嫌いな奴は自分と考え方が会わない奴になりがちだ。そもそも自分と考え方が会う奴ばかり揃えてしまうと、議論に発展性もない。また間違いを正してくれる人もいなくなってしまう。また、異なる考え方の方が、新しい顧客像を得ることもできる。自分たちが今まで顧客と考えなかったところにアプローチできれば、自分たちの可能性を高めることができる。自分としてはどうもイラつく、ムカつくという、いわゆる自分とは考え方の違う者の方が、何かを気付かせてくれるきっかけになることもある。その何かというのがビジネス上欠かせないファクターになるかもしれない。

意思決定をするのは、なるべく自分を客観化した状況を作り出して、その中の自分が決定しなければならない。好き嫌いで判断してしまうと、客観とは異なる方向となり、成功確度を低めてしまう。客観化とは理詰めだ。

まあ、普通の人であればお金は好きだろうが、愛しすぎてはいけない。自分がお金そのものになってしまう。もはや人でなくなる。お金そのものになってしまうと、欲望の権化そのものになることを意味する。誰もお近づきにはなりたくない。その人のお金を欲望のまま得ようとする人物以外は。欲望そのものになれば、強者が弱者をいたぶるような、恥ずかしい人間になってしまう。リーダーは、自分は強者であるがゆえに弱者をいたわるのだ。

思いやりを持ち、楽しさを万民に与え、しっかりとした筋道を立て、さらに規則は守る。それが真のリーダーというものだ。

[教訓]
〇感情ではなく、理屈で意思決定せよ。
〇真のリーダーは弱者に対する思いやりと万民に対して楽しさを付与し。そして筋道を立て、規則を守れ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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