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リーダーとしての心構え

庶徴とは、雨・暘・奥・寒・風を指して言います。さてこの5つが備わり、その来方がそれぞれ来るべき順序に従っておれば、もろもろの草木は悉く繁盛します。そのうちの一つでも極端に多すぎれば凶であり、一つでも極端に少なすぎれば凶であります。人君の徳の休徴としては、慎み深いときは時雨を伴います。国が治まるときは、時暘を伴い、智の明らかなときは、時奥を伴い、事を良く図るときは、時寒を伴い、よく事理に通じるときは、時風を伴います。人君の不徳の咎徴としては、常軌を逸しているときは、常雨を伴います。道に違うときは、常暘を伴い、緩慢なときに常奥を伴い、性急なときは常寒を伴い、蒙昧なときは、常風を伴います。王者の省察すべきは年中の事であり、卿士とそれは月間の事であり、師尹のそれは一日だけのことであります。年と月と日とに、雨・暘・奥・寒・風の偏重がないときは、百穀はよく実り、政治は行き届き、人材はその処を得、国家は安らかであります。・・・庶民は、あたかも天上の星屑のようなものです。星は風を好むものがあり、また雨を好むものもあります。・・・五福とは、その一は寿であり、その二は富であり、その三は健康息災であり、その四は美徳を好むことであり、その五は天命を全うすることであります。

(解説)
リーダーとしての心構えである。庶徴の5つを備え、かつ順序が従っていれば、ビジネスは上手く行くということである。リーダーが慎み深いときは、恵みの雨が降る。マネジメントが順調なときは、よく晴れる。智が明らかなときは暖かく、計画的に進めば、しまりがよく。自然の法則に則っているときには、タイミングよく風が吹く。

逆に当を得ていないことをやっているときには、大雨で地面はぬかるみ。方法が間違っているときにはカンカン照り。緩慢なときには常に熱く、急いで焦っているときには、凍え。知識が不十分で道理に低い場合には、風が吹き荒れ、安定しない。

リーダーは年でモノを考え、ミドルマネジメントは月の実績に拘り、一般従業員はその日その日を生きている。顧客は天上の星屑のようなもので、ニーズは一定しない。

庶徴の5つを備え、かつ順序が従っていることによる得られるメリットは、第一に会社の長期的な存続、第二に会社の利益や役員・従業員の報酬、第三に会社関係者の健康、第四に俗物的(利益とかお金とか)でない高い意識を持つこと、そして第五に経営理念で唱えた会社の理想を実現することである。

[教訓]
〇リーダーとしての心構えである。庶徴の5つを備え、かつ順序が従っていれば、ビジネスは上手く行く。
〇リーダーは年でモノを考え、ミドルマネジメントは月の実績に拘り、一般従業員はその日その日を生きている。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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