「行いに徳があるとか、言葉に徳があるという時は、それを事実によって示すべきものです。寛大であって厳しいところがあり、柔和であって動かぬところがあり、律儀であってうやうやしく、世を治める才があって敬しく、従順で果毅、正直で温和、簡明で廉潔、剛健で篤実、豪勇で好義をいうふうに、その徳が明らかで変わることがないなら、立派な人物と言えるでしょう。日に三徳を行って日夜怠らなければ一家を保つことができ、日に六徳を行って信実な政治をすれば一国と保つことができ。三徳と六徳を合わせ九徳を政教に施すなら、天下を保つことができるのです。このような天子の下では、優れた者は必ず任用され、百官は謹んで邪淫奇謀を考えることはありません。これに反して、その人でない者が官におるのは、天工を乱すというもので、天は必ずこのような者を罪して五刑を加えましょう。」
(解説)
徳のあるリーダーとはどのようなものか。
(a) 抱擁力があるが、厳しさを兼ね備えている。
(b) 柔和だが動じない心を持つ。
(c) 律儀であり、礼儀にかなって丁寧。
(d) 管理能力があり、部下を敬う気持ちがある。
(e) 素直であり、決断力があり、意志が強い。
(f) 正直であって、心温かい。
(g) 簡単ではっきりしており、私欲がない。
(h) 心が強く身体が健康であり、情が熱く誠実。
(i) 人並みはずれて強い勇気があり、公益を考えていること。
これらを言葉だけでなく、行動に表し、さらには二心のないことである。一日一善を超えて、毎日三徳を行えば、部署を管理できる。毎日六徳を行えば、会社をも管理できる。そして九徳を行えば、マーケットすらも支配できるようになるだろう。
徳を実践するリーダーの下には、優れた中間管理職が任用されるため、自分の利益のために会社の利益を犠牲にする者はいない。
意識して経営理念に徳を加え、それをリーダーをはじめとしてスタッフ全員で、心の底から実行せよ。それが顧客に響けば、必ずや顧客から支持を得ることができよう。
[教訓]
〇毎日九徳を行え。マーケットを支配することができる。
〇リーダーだけでなく、スタッフ一人一人が徳を行えば、顧客から支持を集められるようになる。