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時間の長さよりも、心の交わりという質の高さを重視せよ

「白頭新たなるごとく、傾蓋故のごときあり」とありますが、交わりの深さは年月の長短によらず、相手の心を知るかどうかに因るのであります。

「一方だけを聞けば姦計を生み、一人に任せれば叛乱を醸すのであります。」

「明月の珠や夜光の璧も、暗闇の道を行く人に投げつければ、剣に手をかけて睨みつけない者はない。何の因縁もないのに、目の前に飛んでくるからである。わだかまった樹の根が曲がりくねって役立ちそうもないのに、万乗の君の御物となるのは、左右の者がまずその根を彫刻し、飾って王に進めるからである。」

(解説)
騶陽は、ある者の妬みを受け、梁の孝王に讒言され、囚われた。そこで、過去の話を例であげながら、間違ったことをしなさるなと、書簡を奉った。

「白頭新たなるごとく、傾蓋故のごときあり」とは、白髪の年まで交際しても初対面のような冷たい交わりもあれば、路傍の車の影で語っただけで故旧の様な交わりをするという意味である。交わりの深さは年月の長短ではなくて、いかに相手の心を知ることができたかであると。例え、騶陽に対する讒言が長年付き合ってきた間柄の者からの発言であっても、その真意をきちんと知ってほしい、と言ったわけである。どうしても長く会社にいる人の発言を重く捉えがちだが、それを逆に使ってくる者もいるかもしれないので、注意が必要だ。時間は人間関係を盲目にする。

そして一人から聞けば、その人から騙されているかもしれない。一人に任せきりにしていれば、権限を与えてしまって、自分に対する危害を加えないとも限らない。そのため、色々な人の意見を聞いて、妥当な結論を出すべきだし、一人の人に任せきらず、常にチェック機能を持たせた方が良い。

そして第三段目は、何事も突然やるな、ということだ。例えば、意味不明に営業電話をかけても、時間が無駄なだけである。いきなりメールを送り付けても意味がない。人間関係を作ってから色々と提案すれば、その提案に乗ってくれるというものだ。いわゆるリレーションシップ・マーケティングである。

[教訓]
〇時間の長短で発言者を信用するのではなく、発言者の真意を読みとれ。
〇一人の人からの意見を真に受けるのではなく、色々な立場の人から意見を吸い上げよ。
〇人間関係を作ってから、色々と提案しよう。相手の心の準備ができていないとことに入り込んではならない。単なる営業電話は時間泥棒である。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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