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成功する経営者のポイント6つ

病気には六つの不治がある。驕慢で、道理を無視することが第一の不治である。身を軽んじ、財を重んずることが第二の不治である。衣食の妥当でないことが、第三の不治である。陰陽が五臓で合併し、気の不安定なことが第四の不治である。形容まで衰え果てて、薬を受け付けないのが、第五の不治である。巫女の言葉を信じて、医者を信じないのが第六の不治である。これらのうち一つでもあれば、すこぶる治癒しにくいのである。

扁鵲の名声は天下に高まった。彼は邯鄲を訪れ、その地に、婦人を尊重する風俗があるのを聞くと、直ちに婦人科医となった。洛陽を離れ、そこの従に民である衆の人々が老人を敬愛すると聞くと、直ちに耳疾・眼疾及び冷え込みなど老人病の医者になるなど、各地の人情風俗に適応して、自在に変転した。

長桑君はひそかに扁鵲を呼び、人を遠ざけ対座して告げた。「私は秘伝の医術を知っているが、年取ったので君に伝授したいと思う。人に漏らさぬように」。
扁鵲が「謹んで承知しました」と言うと、懐中から薬を出して、扁鵲に与え、「これを飲むには雨露を用い、飲んで三十日たると、何でも物を見通すことができる」といって、秘伝の医書を全部取り出し、それをみな扁鵲に与えると、忽然として姿を消した。それはほとんど人間とは思えなかった。
扁鵲はその言葉に従い、薬を飲んで三十日たつと、土塀の向こう側の人が目に見えるようになった。この眼力で病人を見ると、五臓の気血の凝り塊が、ことごとく透視できた。しかし、うわべでは脈を診る体にしていた。

(解説)
第一段目は病気の不治について論じているが、経営者の成功・失敗に通じるものがある。①おごり高ぶりや、道理を無視してはならない。②自分自身の健康を害してまで、金稼ぎを重視してはならない。③暴飲暴食だったり、身分不相応な服装をしてはならない。④メンタルを安定させていなければならない。⑤疲れ果てていてはならない。⑥自分が信ずる人のいう事ばかりを信じて、客観的な物事を捕える眼を失ってはならない。これら一つを守らないことがあれば、経営は上手くいかない。

第二段目は扁鵲についての仕事の仕方である。邯鄲では婦人を尊重する風俗があったので婦人科医となり、老人を敬愛する土地では老人病の医者となり、各地の人情風情に適応して、色々なことをやった。それは顧客ニーズを見て、柔軟に対応することを意味する。

第三段目はかなりスピリチュアルな能力を身に着けてしまったが、気味悪がられることも含めて、それを隠していた。つまり能ある鷹は爪を隠していた。しかし、あまりに天才的な医術を恨まれ、刺殺されてしまう。

[教訓]
〇経営者が成功したければ6つのポイントを押さえよ。
〇顧客ニーズを見て、柔軟に対応せよ。
〇能ある鷹は徹底的に爪を隠せ。恨みを買うくらいに目立ちすぎるな。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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