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大物ほどつまらないことで争わない

淮陰の屠殺人仲間の若者に信を侮る者があり、「お前は図体が大きく、好んで刀剣を身に着けているが、内心は臆病者だ」と罵り、さらに衆人の面前で辱めて言うよう、「信よ、死ねるものなら俺を刺し殺してみよ。死ねないなら、俺の股の下をくぐれ。」
信は彼をつくづく眺めてから、伏して腹ばいになり、その股の下をくぐった。市中の人は皆信を臆病者と嘲った。

(解説)
淮陰候は韓信という。江蘇の別名が淮陰である。

さて、これは、大物はつまらぬ争いはしないという考え方である。つまらぬ争いこそくだらない時間はない。他人にお金を貸して返せと言い続けたところで、返ってこないことが多い。返ってこない理由は借りた相手が無能で、仕事ができないからだ。そんな奴を相手にしていても、永遠に貸した金は返ってこない。そんな下らないことに時間を使うよりは、さっさと次のことをやって稼いだ方がいい。ちょっと相手の態度が悪い位で、いちいちケチもつけない。ケチをつけて、それを正してやっているんだ、とか偉そうなことをいう奴がいるが、そんなところに力をかけたところで何のメリットもない。ムスッとした態度でもしておけばいい。二度とその会社のサービスを利用しなければいいだけだ。つまらぬ争いに時間をかけると、変なところで恨まれたりもする。こちらが多少損だと思っても、スムーズな人間関係を保った方が後でメリットになることも少なくない。大物こそ無駄な争いは避けるものだ。そして小物ほど小さなことにすぐキャンキャン言いだし、無駄なことに時間を使って、稼ごうとしない。大物は損を追いかけない。得だけを追いかける。だから成功する。例えば、仮にホテルの窓口の対応が悪かったとして、そこで数万円の宿泊をタダにしたとして喜んでいるのが小さな人間のすることだ。大物はそこで小言を言わず、他のところに時間を使って数百万円か数千万円を稼ごうとする。時間より面子の方が大切だとも考えているのではないか。

[教訓]
〇大物ほど争わない。
〇小物ほど小さなことにキャンキャン言って、お金にもならないことに無駄に時間を費やす。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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