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中途半端はノー

両雄は俱に立たず、両賢は世に並ばず。

友好の使いとしてゆくならば、数人で事は足ります。武力の使いとしてゆくなら、二千人では足りません。

成敗の転変するのは、より合わせた縄にも例えられるようである。

(解説)
第一段目は南越王が漢王と並び立つのを恐縮し、南越の帝政を廃止した。漢の文帝をよいしょしたわけである。これは漢という帝国が怖かっただけであるが、そもそも同じ会社の組織には両雄も両賢も並び立たない。命令系統が二つと言うのもややこしい。共同経営と言う名のもとに代表取締役を二人にしているケースも少なくないが、役割を明確にするとか、実質はどちらかが上か下かを明確にしておくことが、組織のベクトルを一つにするために必要である。

第二段目は、前漢初期の呂王に対して、荘参に討伐を命じたが、辞退した。確かに交渉をしに行くのであれば兵隊は必要ないし、武力従わせるのであれば多くの軍勢を必要とする。要するに漢王が遣わそうとした人数が中途半端であるのが問題なのだ。交渉するならば、数名でよい、攻めるならばもっと兵士を割かなければならない。思い切りが悪ければ、部下も動きようがない。あまり予算はないんだけど、といって、やる気があるのかないのかわからない経営者と言う感じだ。

第三段目の、「成敗」とは、暴れん坊将軍のいう「成敗」と言うのと意味は異なる。暴れん坊将軍の成敗は、懲らしめることだが、ここでの「成敗」は、成功か失敗かと言う意味である。より合わせた縄のように表裏が交互にやってくる。禍福は糾える縄の如しともいう。要するに幸福と不幸は表裏一体で、代わる代わるやってくる。同様成功も失敗も代わる代わるやってくる。成功したと思ったら、すぐ失敗するかもしれない。逆に失敗したと思ったら、すぐに成功するかもしれない。成功するから失敗もする、失敗するから成功もする。そんなものだ、気にせずトライせよ。

[教訓]
〇組織に両雄を並び立ててはならない。必ず共同経営であっても、どちらが上下かを決めよ。
〇経営者は思い切りだ。中途半端はやめろ。
〇成功も失敗も表裏一体。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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