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優れた経営者とそうでない経営者の違い

最善の政治家は民の好みのままに従い、次善の政治家は利益をもって民を導き、これに次ぐ政治家は人民を教誨し、さらにこれに次ぐ政治家は人民を統制し、最も拙い政治家は人民と争うのである。

農を待って食い、虞を待って材を出し、工を待って加工し、商を待って有無を通ずる。・・・お役所仕事があって初めて行われるモノだろうか。人民が各々その能力のままに、その力を尽くして欲するものを得ようとするだけのことである。従って、物の値が低いときにはやがて高くなり、高いときにはやがて低くなるのであって、各々その業に励み、その仕事を楽しむこと。水は低きにつくように日夜休むことがなく、物は招かずして自ずから集まり、求めずして民は自ずから出すのである。これは何と、モノの道理に合った自然の表れではなかろうか。周書に、「農が出さなければ、食糧は乏しく、工が出さなければ、品物が乏しく、虞が出さなければ、資材が乏しく、資材が乏しければ山沢は開けない。商が出さなければ、この三つの宝(食糧・品物・資材)も流通しない」とある。この四者(農・工・虞・商)は民の衣食の下であり、元が大きければ、生活は豊かに、元が小さければ生活は乏しく、上は国を富まし、下は家を富ますものである。貧しくなったり富んだりするのは、人が奪ったり与えたりするからではなく、知恵の卓越したものに、自然にゆとりができ、拙いものが自然に事欠くからである。

(解説)
前段を敢えて、政治家から経営者として考え直してみよう。
A:従業員や消費者、その他利害関係者の望みを重視する。
B:金で釣る。たくさん金を払う。
C:利害関係者を教え諭す。
D:半ば強引にマネジメントする。上司のいうことを聞けという。
E:従業員を酷使する。客からむさぼる。業者を安く使う。

後段はまずは市場原理に任せておけば、価格は妥当なものとなる。そして、仕事を楽しみ、みんながせっせと働くことが重要。

経済が大きければ生活は豊かになる。小さければ生活は貧しくなる。そして、上の者は国を豊かにし、下の者は家を豊かにする。人民が貧しくなったり、豊かになったりするのは、人が奪ったり与えたりする結果ではなく、知恵の優れたものが自然に豊かとなって、知恵の優れぬ者が自然に貧しくなっていくのである。従い、どんな経済においても知恵者には敵わないという事だ。知る人はどこまで行っても豊かに、知らない者がバカを見るというのが現代社会なのだ。

[教訓]
〇優れた経営者になれ。そのときには、利害関係者のメリットのみに耳を傾けよ。
〇知恵を持てば豊かになる。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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