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3度言って聞かない奴は、何度言っても聞かない

少師は言った。「父と子とは、骨肉の繋がりがあり、君と臣とは義をもってつながっています。それゆえ、父に過ちがあれば、子は三たび諫め、それでも聞き入れなければ父に従って号泣するだけですが、人臣としては三度君を諫め、それでも聞き入れられなければ、義として君から離れていいのだと存じます。」

(解説)
三度目の正直:三度目の正直とは、物事は一度目と二度目はあてにならないが、三度目なら確実であるということ。また、二度の失敗の後に成功することをいう。

仏様の顔も三度:仏の顔も三度までとは、どんなに温厚な人でも、何度も無礼なことをすれば怒り出すことのたとえ。

三度にまつわる色々な諺がある。ちなみになぜ仏様の顔も三度となったかと言えば、コーサラ国が釈迦国に対して、王妃となる身分の高い女性を要求した所、身分の低い女性に身分を偽らせてコーサラ国の王に嫁がせてしまった。その母親から生まれた子は、身分の低い母親から生まれたということで差別的な行動を取った。それを恨みに思い、コーサラ国の王子が王となり、釈迦国を滅ぼそうと出兵した。三度までは仏陀の説法で兵を引き換えさせたが、四度目には出兵を止められず、釈迦国は滅びたという話から来ているそうだ。

上記の例では、「諫めるのも三度」までと言ったところか。しかし頑固な経営者というのは本当に頑固である。それがいい方向に現れれば、まだ従業員はついて行かざるを得ないが、悪い方に現れると、売上を減少させるだけでなく、会社の財務体質を悪化させ、従業員にとっては給料未払のリスクを増す。ダメ元で三度は諫めても良いだろう。だがそれでも聞かないときは、何度言っても聞かないし、それ以上この会社に在籍するのはリスクとなる。はっきり言って時間の無駄だ。従業員としては3度の諫めで去った方がいい。

ちなみに「三度目の正直」は、三度目には上手く行くし、「仏様の顔も三度」は、三度目には怒り出す。「諫めるのも三度」では三度諫めて聞かなければ去るということになる。

頑固とは、信念の裏返しでもあるが、本当に厄介な病気でもある。親子の縁は切れないが、君主と臣下の縁は「義」でしかなく。義が果たされなければ関係の継続はない。リーダーとスタッフの関係も「義」である。

逆に言えば、スタッフがリーダーに対して、いい方も考え、3度目には聞いてもらえるような工夫をしよう。プライドを大切にしてあげないとリーダーは聞かない。信念を守るためにこうした方がいいでしょう、というような言い方の方が良い。

[教訓]
〇部下がリーダーを諫めるのも3度まで。そんな頑固者に付き合っていても、それ以上は時間の無駄。サッサと去るべし。
〇スタッフもリーダーに3度目に聞いてもらえるように工夫をせよ。聞かないからといつも同じ言い方としていては、聞くものもきかなくなる。
〇リーダーとしては3度目には諫めを聞くように。諦められたら終わりと知れ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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