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公平なルールの適用が強い組織を生む

孫子に学ぶ、「善く兵を用うる者は、道を修めて法を保つ。故に能く勝敗の政を為す。」

(現代語訳)

戦争に巧みな者は、勝敗を分ける道理を納め、軍の法制を守らせる。そして思うがままに勝敗を決することができる。

(解説)

できる経営者は、人の使い方上手い。そしてどうやったら稼げるか、稼げないかを熟知している。加えて、会社の規則を絶対に自分で守り、人にも守らせる。ここまでできれば、組織を勝利に導くことができる。

社長が自ら孤軍奮闘したところで、会社全体が同じ方向性を向いていなければ、上手くはいかない。社長は俺は我が道を行く、お前たちはついて来い、と言ったところで社長に何の魅力もなければついて行く気がおきない。社長は従業員のやる気を引き出すのも上手い。やる気を引き出せなければ、ダメなのだ。お前らなんでやる気がないんだ。もっと働け、というよりも前に、モチベーションを引き出せる組織になっているかが問題だ。

モチベーションを引き出すためには、ルールが必要だ。どこまで頑張れば、自分の給料が上がるのか。そしてその頑張りというものが、その人の努力に応じて、最初からきちんと約束出され、その約束通りに履行できているかだ。従業員が約束を守っているのならば、次に報酬を支払うという約束を守らなければならないのは、社長の方である。ときにここまで頑張ったのに約束通り報酬がもらえないというのは約束違反である。守れない約束ならば最初からすべきではない。ある人はここまで頑張ったなら、その事業の結果いかんにかかわらず、その人には約束通りの報酬を支払うべきだ。事業が上手くいかないのは従業員の責任ではない。あくまでも会社の社長の責任だ。最低限のルールを守らない社長の下では一秒たりとも働くべきではない。

このルールであるが公平感も必要である。どういう基準でいくら報酬がもらえるのか。従業員の理解の不十分といったものもあるが、どうしてあいつはこんなにもらっているのに、自分はこれだけしかもらえないのか、ということに対しては、永遠なるテーマではあるが、きちんとしたルールがあってこそ納得する。売上の何パーセントが報酬だと言ってしまえば、売上を上げられないものはそれだけもらえないということを納得せざるを得ない。公平なルールの適用が不可欠である。社長の胸先三寸で決められるルールほど、スタッフのやる気を失わせることはない。社長に対してよいしょしやがってとか、社長が男で、何となく不公平に給料の高い女性でもいれば、あいつは社長の女じゃねえのか、とかあらん噂も立てられる。傍から見ていると、アホかと言いたくなる。真実なこともあるかもしれないが。

ルールが公平に作られ、その適用も公平であり、社長自らもルール守り、従業員にも守らせることができれば、組織は一つの方向性を向く。

当然のことながら、その会社が儲かるビジネスをやっていなければ話にならない。それは代表が稼ぎ方を心得ているかいないかである。そもそも稼げない場合には組織としての体を為さない。

[教訓]

〇人の使い方が上手い。稼ぎ方を知っている。ルールを守ることのできる組織は必ず勝てる。

〇モチベーションの高め方は公平なルールと公平なルールの適用が必要だ。

〇モチベーションを引き出せる組織は最強だ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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