孫子に学ぶ、「用兵の法は、十なれば即ち之を囲み、五なれば即ち之を攻め、倍すれば即ち之を分かち、敵すれば即ち能く之と戦い、少なければ即ち能く之を逃れ、若かざれば則ち能く之を避く。」
(現代語訳)
兵力運用の方法は、自軍の兵力が敵軍の十倍であれば敵を包囲する。五倍ならば正面攻撃をかける。二倍であれば敵を分断して各個撃破する。兵力が同じであれば兵の奮闘いかんにより、少ない場合は退却し、敵わぬほどの兵力であれば、すぐに離脱せよ。
(解説)
相手との戦力差によっては戦い方が変わる、敵わない戦力差であれば、逃げろと言うことだ。
さて、ここでは戦力差を顧客から見て自社のサービスの魅力度と言う視点で考えてみよう。顧客から見た自社のサービス魅力度は、競合他社のサービスとの相対関係によっても変わる。
当然お客の欲しいサービスが当社のものしかないのであれば強力である。しかしそういったサービスで収益率が高いものであり、参入障壁が低ければ、新規参入をしてくるから、いずれ儲からなくなってくる。差別化は商材によっては限界がある。自社サービスが先行者であるとしたならば、この時期に顧客を囲い込んでおく必要がある。
需要と供給の関係によって、価格が決まるから、競合会社が多ければ大きいほど、収益が落ちてゆく。商品の内容によっても差別化はなされるが、あまりに参入業者が多い場合には、その差別化は内容よりも価格になってしまう可能性が上がる。
当然価格でなく、内容で差別化を図りたいけれども、お客にとっての差別化は価格以外にはアピールしづらくなる。そこで改めて、魅力的に差別化するにはどのようにすればよいのかを考え直さなければならない。
それが自社のサービスの魅力度が高い場合には顧客を囲い込むことができるし、比較的に高い場合には自社のサービスの内容を正面から伝えればよい。類似サービスも多くなれば、次第にその内容次第、あるいは価格次第になり、類似サービスが多くて、顧客からすれば価格以外に差別化しづらいと思われてしまったら、一先ずは今のままでサービスを継続させるも、気持ちの上では撤退をして、差別化できるアピールポイントを考え直して、再度出直す方がよいことになる。
当然差別化は価格以外ですべきであり、他社サービスと比較することで自社の強みを確立していく必要が出てくるのだ。
[教訓]
〇競合が少なく、自社サービスの魅力があるうちにできる限り囲い込め。
〇差別化が価格以外で取れないと思ったら、サービスは継続しつつも、気持ちの上では撤退せよ。
〇他社サービスと比較検討することで、自社の強みを明確にして、再度出直せ。