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リーダーがしてはならない5つのこととは

故に将に五危有り。必死は殺され、必生は虜にせられ、忿速は侮られ、廉潔は辱められ、愛民は煩わさる。凡そ此の五者は将の過ちなり。兵を用うるの災なり。軍を覆し将を殺すは、必ず五危を以てす。察せざるべからざるなり。

(現代語訳)

将軍には5つのタブーがある。初めから生きて帰らぬ覚悟の蛮勇は殺され、勝利よりも生きることに執着すれば捕虜となり、怒りに任せた拙速の行動は侮られ、度を過ぎた清廉潔白は辱めを受け、兵への慈しみが度を越せば戦争に専念できない。この5つのタブーを犯せば、災いとなるから心せよ。

(解説)

リーダーのあるべき姿をここに見ることができる。

第一に、自分一人で必死になってしまう人は、全体が見渡せないから、殺されてしまう。第二に、生き延びることばかり考えている人は進軍に消極的になり、戦わずして捕虜になってしまう。第三に感情的になりやすい人は、冷静に考えて行動ができず、相手から罵られる。第四に、清廉潔白すぎる人は他人の目が気になり、相手からの中傷に弱い。第五に、情に厚い人は兵士に犠牲が及ぶことに心を痛め、決断が鈍ることがある。

必死になるとか清廉潔白であるような本来ならばよさそうなことも、戦場という環境では欠点になるのである。従って、ビジネスリーダーにふさわしい人は次のような行動をとると良い。

  • 自分のことで精いっぱいになるのでなく、全体を見渡す余裕を持て。
  • リスクを怖がって消極的になるのではなく、ある程度のリスクを負って、積極的になれ。
  • 感情的にならず、常に冷静さを保て。
  • 周囲の目を気にするな、何を言われても動じない心を持て。
  • 目的の達成のためには非情になることも必要だ。

ビジネスを行う上で、やさしすぎてはいけない。情を持つ必要もあるが、時と場合によっては非常にならなければならないこともある。成果を上げるためにはやむを得ないのだ。それを躊躇してはいけない。

リーダーだって人間だから、感情的になってしまうことだってある。しかしそんなときでもすぐに冷静さを取り戻すことが重要なのだ。

[教訓]

〇全体を見回す余裕を持て。自分のことだけに必死になるな。

〇リスクを取り積極的に行動せよ。

〇常に冷静であれ。

〇中傷されても動じない心を持て。

〇非情になることも必要。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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