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成功するためのビジネスの定石とは

孫子に学ぶ、「凡そ戦いは正を以て合し、奇を以て勝つ。故に善く奇を出す者は、窮まり無きこと天地の如く、竭きざること江河のごとし。」

(現代語訳)

戦争においては、まず「正」兵で布陣し、最後は「奇」兵で勝つ。巧みに奇兵を繰り出す軍隊は、天地の運行のようにスムーズであって、大河の流れのように尽きることがない。

(解説)

正攻法とは基本に忠実な戦い方を言い、奇策とは敵の意表を突く戦い方を言う。あくまでも土台になるのは正攻法である。しかし正しく規則的な攻撃は、相手も予想しやすく守りやすい。そのため最終的には奇策を用いて勝つのである。

正攻法と奇策の組み合わせとは、変幻自在に戦うことを示している。正攻法は相手から倒されない不敗の状況であり、奇策とは相手を倒すことのできる必勝の状況と言うこともできる。

ビジネスにおいては当たり前のことを当たり前にやった方がいい。別に他のビジネスとの差別化なんて、最初から考えない方がいい。起業で失敗するパターンは差別化を意識しすぎて、当たり前のことをやっていても儲からないから、と言う理由で最初から奇策に走ることなのだ。奇策を常策にしたところで、奇をてらいすぎて顧客からは支持されることはない。最初は意表なんかつかずに、真正面から顧客と向き合った方がいい。

例えば、野球のピッチャーの基本はストレートの走りである。それがあって初めて変化球が生きる。最初からストレートを投げずに変化球ばかりでは手の握力も持たないが、プロの打者はごまかせない。ここでストレートが正攻法であり、変化球が奇策と言うことになる。

ビジネスにおいての基本とは、顧客のために優れた利便性の高い商品を提供することだ。しかし残念ながら、優れた利便性の高い(と事業者が思っている)商品を顧客が手にするとは限らない。それを土台にしつつも、ネーミングで凝ってみたり、興味を引く宣伝文句を考えてみると良い。但し提供する商品やサービスは大真面目であった方が良いだろう。

たまにおふざけでもしておけば、そのうち、この会社はいつも面白いことやってるよね、と思ってくれる。会社のファンがついたときに奇策を常策としてやっていけば、指示されるようになると思われる。応用力が付いてこそ、始めて会社は一人前と認められるのだ。

[教訓]

〇ビジネスは最初は当たり前のことを当たり前のようにやれ。

〇奇策を常策にしたら、客受けはしない。

〇奇策をファンが喜ぶようになってから、それを常策とせよ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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