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リーダーは特化型、サポートは万能型がよし

孫子に学ぶ、「夫れ将とは、国の輔なり、輔周なれば即ち国必ず強く、輔隙あれば即ち国必ず弱し。」

(現代語訳)

将軍とは、国家の補佐役である。補佐役が目配りの効く人物であれば、その国は必ず強く、この補佐役が戦いにしか能のない隙だらけの人物であれば、その国は必ず弱体化する。

(解説)

会社をそこそこ大きくしたいという人は、パートナーと共に会社を経営していくか、スタッフを採用することになる。そのときにパートナーは代表取締役の補佐役であるから、その補佐役が優れていれば会社は強く、優れていなければ会社は弱くなる。そのため人選はよく吟味して行え。

会社のパートナーは本当に馬鹿にはならない。当然、会社は代表取締役次第であることは間違いないが、パートナーによってもその業績は左右される。

どのようなパートナーがふさわしいかと言えば、目配りの聞く人物はよい。但し、戦いしか能がなく、その他ができない人物はダメといっている。仮に一つのことに特化していたとしても、基本的にはオールラウンダーがいいということになるだろう。少なからず、注意力があり、バランスの取れた人材であるということだ。

当然、どこかにものすごく取り柄がある場合、その取り柄はその他の人材にない才能が良い。例えば代表取締役が営業力が乏しいのであれば、営業力のある人材、代表取締役が事務作業能力が乏しければ、事務作業能力の長けた人材というように、お互いが保管しあえる能力であることが望ましい。会社がそれほど大きくなければ、お互いが似たようなことしかできないのであれば、あまりシナジー効果はないと言える。

代表取締役がバランス感覚が優れていれば、パートナーの能力は一つのことに特化していてもかまわないと思う。一人でもバランス感覚の優れた人材がいれば会社は何とか回る。

能力的なことに関しては、それぞれが何かの能力に特化していて、会社の事業を補完しあえればそれでよいのだが、能力だけでは足りない。パートナー全員のベクトルが同じ方向を向いているかと言うこともまた重要だ。音楽のバンドグループと同じように、音楽性が異なるとそのうち離れることになってしまう。お互いが別のベクトルを持っていれば、不協和音が生じる。それはビジネスと言う、美しいハーモニーを奏でることができなくなる。ベクトルだけでなく、稼ぐリズム感も同じでなければならない。

実は代表取締役の方が、一つのことに特化したバカの方が上手くいく会社が多いように思われる。ディズニーもウォルトが夢を追い、補佐した兄のロイが全てを拾っていた。日本の多くのメーカーも代表の方が技術バカで、その他が全部を取りまとめる会社の多くが成功していた。もちろん全部ではないが。

[教訓]

〇パートナーにはお互いの能力を補完しあう者を選べ。

〇パートナーは向かう方向性が同じく、さらにリズム感のある者を選べ。

〇むしろ代表の方が一つのことしかできないバカの方が良い。そのときパートナーはバランスの取れた、色々拾ってくれる人材を選べ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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