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上手な営業トークでなくてはならないものとは

孫子に学ぶ、「能く敵人をして自ら至らしむ者は、之を利すればなり。能く敵人をして至るを得ざらしむるは、之を害すればなり。」

(現代語訳)

敵軍が自分からやって来るように仕向けられるのは敵に利益を見せて誘うからである。敵軍が来られないように仕向けられるのは敵に害があると思わせるからである。

(解説)

相手が自軍に勝てそうだったら攻撃を仕掛けてくるが、相手が自軍に勝てそうになかったら、攻撃してこない。相手に攻撃させたいときに、例えば、自軍の将軍を見えるところに位置すれば、一気に攻撃を仕掛けてくるかもしれない。あるいは数が少ない場合。そうして相手に攻撃を仕掛けさせるのは、敵を引き寄せて、相手を囲み、伏兵で攻撃するという戦術があるだろう。

逆に敵よりも数を多そうに見せておけば、相手が恐怖を感じ、向こうからは仕掛けてこない。こういった情報操作は戦には必要だ。

相手に利益が生じるように見せれば、自分の思い通りになるということを説いている。営業を考えてもわかる通り、優れた営業と、ダメな営業の違いは、前者はこの商品を使ったらお客様にとってどんなメリットがあるのかを説明する。後者は商品の説明を一生懸命にしてしまうことだ。営業に慣れないから、商品の機能を頭に入れて、それを淡々と語ってしまう。お客様のことを考える余裕がなく、お客様のメリットまで考えが及ばないのだ。

交渉時において、自分と付き合っているとメリットがあるよ、という雰囲気を相手に示せるかどうかだ。そうすれば、長期的な関係を築きやすくなる。

また、上場企業がある会社を買収したり、新製品を発表する、あるいは決算の数字が予想以上に優れているような場合、株価が上昇する場合がある。会社を買収したから、新製品を発表したから、会社の業績が上がるかどうかわからないのにもかかわらずである。株主にとっては、会社の発表がプラス材料に移る場合もある。これも一種の情報戦というものだろう。

[教訓]

〇お客様のメリットを伝えれば、売りやすい。

〇交渉時において、自分に付き合っているとメリットがあるという雰囲気を伝える。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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