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戦わずして勝つことの大切さ

孫子に学ぶ、「凡そ用兵の方は、国を全うするを上と為し、国を破るは之に次ぐ。旅を全うするを上と為し、旅を破るは之に次ぐ。卒を全うを上と為し、卒を破るは之に次ぐ。伍を全うを上と為し、伍を破るは之に次ぐ。是の故に百戦百勝は、善の善なる者に非ざるなり、戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり。」

(現代語訳)

戦争は敵国を保全したまま勝利することを最上の作とし、それを撃破して勝利するのは次善の策である。敵の軍を保全したまま勝利することを最上の作とし、それを撃破して勝利するのは次善の策である。敵の百人編成の部隊を保全したまま勝利することを最上の作とし、それを撃破して勝利するのは次善の策である。敵の五人編成の部隊を保全したまま勝利することを最上の作とし、それを撃破して勝利するのは次善の策である。百戦百勝するのは最善の方策ではない、戦争をせずに敵の兵力を屈服するのが最善の方策である。

(解説)

戦争を行うと人も食料も疲弊する。それは国力の減退に通じる。自国にとってもだし、それは他国にとってもだ。

これをビジネス上に当てはめると、競合他社と争うのではなく、その競合他社を買収してしまうことだ。相手が財務体質が悪いときにしかければ、コロッと話し合いに乗ってくれる。そうでない場合には、敵対的買収(TOB)となって、買収するのに高い費用を支払うことになる。相手が嫌だというのに無理に買収してもいいことはない。仮に買収したとしても、その後のマネジメントが苦労する。M&Aが成功すれば、無用な顧客獲得作戦も展開せずに済む。安売り合戦を繰り返せば、お互いが疲弊してしまう。

もう一つは、新規顧客獲得方法だが、通常、我々はそのために広告宣伝費をかける。しかし新規客の広告宣伝費はバカにならない。一番広告宣伝費のかからない方法は、既存客にリピーターになってもらうことと、そのリピーターから新規顧客を紹介してもらうこと。つまり口コミで集客をすることだ。口コミによる集客ほどありがたいことはない。自分たちの良いところを伝えてくれるし、知り合いからの紹介だから、警戒心がない。

無用なコストがかからない。これがまさしく戦わずして勝つと言うことなのだ。

[教訓]

〇競合他社に友好的な買収をかけろ。

〇リピーターを獲得せよ。新規客をリピーターの口コミによって獲得せよ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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