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礼はビジネスの基本である

将は驕るべからず、驕れば礼を失う。礼を失えば人離れる。人離れば衆叛く。将は恡むべからず、恡めば賞行われず。賞行わざれば士命を致さず。士命を致さ座れば軍功なし。功なければ国虚し、国虚しければ寇実なり。孔子曰く、「もし周公の才の美あるも、驕かつ恡ならしめば、その余は観るに足らざるのみ」と。

(現代語訳)
将軍は、自分の能力に驕ってはいけない。驕れば態度に現れ、礼を失う。礼を失えば人心が離れる。そして部下を従わせることができなくなる。将軍は賞のだし惜しみをしてはならない。賞を出し惜しみすれば、部下は命を投げだそうとしなくなり、そうなれば、せっかくの軍事行動も初期の目的を達することができなくなる。ひいては国土を敵に侵略されることになりかねない。孔子は言う。「もし周公ほどの才能に恵まれていても、驕っていたり、出し惜しみすれば、どんなに美点があったとしても評価するに値しない。」

(解説)
リーダーは内心で自分がすごいと思っていて欲しいのだが、それを外に対して言うものでもない。たまに変な選民思想を持っている奴がいる。神様がこの世にいたと仮定して、私は神から選ばれたとか、神様のご寵愛をうけているとか、中にはとんだ勘違い野郎で、政府のお偉いさんとつながっていて、お偉いさんに守ってもらっていると豪語する。そのくせ法律違反を犯したら、きちんと裁判所に呼ばれて執行猶予を食らっている。どこが守ってもらっているんだバカ野郎(笑)。

こういう奴は自分が正しいと思っているから、絶対に人の言うことは聞かない。本を読んでも、自分の都合のいい所だけ蛍光ペンでマークするタイプだ。それで自分と同じ考えの人を称賛し、その他の人を徹底的に見下す。ある人の紹介で、大手企業のお偉いさんとミーティングを設定したのだが、「あなた方は時代に遅れている(確かにそうなのだけれど)」とか面と向かって言うものだから、大いにばつが悪かったことがある。紹介者にも迷惑をかけてしまった。偉いとか正しいと思っているならば、確実に結果を出してほしいものだが、そういう奴に限って絶対に結果を出さない。いずれかで運良く結果を出すことがあったとしても継続しない。いわゆるビジネス一発野郎だ。一発屋は芸能人ならばまだ許せる。それとも芸能人気取りなのだろうか。

他人に対して上から目線だから、当然「礼」なんてものはないから、人は離れていってしまう。また、賞の出し惜しみはいけないというが、何か作業をしてくれたら謝礼も忘れてはならない。礼がない奴は、謝礼を出す気持ちすらもない。自分は大物だ、上手く行く、その時たくさん払える、こういう思考回路なのだろう。こういう態度の奴は、仮に頭が良いなど、いいところがあったとしても、評価するには値しないのだ。

[教訓]
〇リーダーは内心自分はすごいと思うこととは必要だが、態度に出さなくてもいい。
〇礼を失すれば、人心は離れていく。
〇謝礼を払う気持ちがなければ、どんなに凄い人でも評価するには値しない。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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