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リーダーにとっての5つの必要条件とは

将に五彊八悪あり。高節にしてもって俗を厲すべし、孝弟にしてもって名を揚ぐべし、信義にしてもって友と交わるべし、沈慮にしてもって衆を容るべし。力行にしてもって功を建つべし。これ将の五彊なり。謀、是非を料る能わず、礼、賢良を任ずる能わず。政、刑法を正す能わず。慮、微密を防ぐ能わず。達、知る所を挙ぐる能わず。敗、怨謗なき能わず。これこれを八悪という。

(現代語訳)
将帥には、五つの必要条件と、八つの欠格事項がある。
五つの必要条件:
(a) 高節であれば、部下を励ますことができる。
(b) 孝悌であれば、名を上げることができる。
(c) 信義を重んじれば、友と交わることができる。
(d) 深慮であれば、包容力を身に着けることができる。
(e) 全力を注げば、軍功を建てることができる。
八つの欠格事項:
(f) 謀に欠ければ、是非の判断を下すことができない。
(g) 礼に欠ければ、有能な人材を登用することができない。
(h) 政治能力に欠ければ、法を適切に執行できない。
(i) 経済力があっても、貧民を救済しない。
(j) 智恵に欠ければ、未知の事態に備えることができない。
(k) 思慮に欠ければ、秘密が外部に漏れることを防げない。
(l) 栄達しても、旧知の人々を推薦しようとしない。
(m) 敗戦したとき、国民の非難にさらされる。

(解説)
高い信念を持てば、部下は従ってくる。仕事だから当然生活費を十分に賄う給料をもらえることは当たり前だが、それ以上となると、お金以上に、そのリーダーの魅力に従ってくる人物は多いのではないだろうか。きれいごとを言うつもりはないが、お金以上にリーダーの人柄や、目指すビジョンの方が大切である。

信義、つまり、いつわったりあざむいたりせず、真実で正しい道を守れば、顧客とも友のように交わることができる。儲かりそうなことばかり言っておいて、実はリスクを顧客に押し付けるようなことする奴は、友は呼べない。顧客のお財布を痛めることは、友の財布を痛めることだ。それが平気ならば、その友は、友人ではない。しかしながら、顧客を財布としか思っていない会社の多いこと。

偉そうに無礼な奴は、有能な人材を雇うことはできない。一時期雇えたとしても、すぐに去るであろう。

[教訓]
〇高い信念が人を引き付ける。
〇信義を重んじ、顧客を友のように扱え。
〇無礼な奴は、有能な人材を引き付けることはできない。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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