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優秀な人材をどう見つけるか

賢才上に居り、不肖下に居る。三軍悦楽し、士卒畏服す。あい議するに勇闘をもってし、相望むに威武をもってし、あい勧むるに刑賞をもってす。これ必勝の微なり。士卒惰慢し、散軍数驚く。下礼信なく、人法を畏れず、あい恐るるに敵をもってし、あい語るに利をもってし、あい嘱するに禍福をもってし、あい惑うに妖言をもってす。これ必敗の微なり。

(現代語訳)
必勝のカギ
(1) 有能な人材が登用され、無能な人材が退けられる。
(2) 兵卒がのびのびと振る舞い、よろこんで将軍の命令に従う。
(3) 兵卒が闘志満々、互いに威武を輝かすことを願っている。
(4) 軍中に信賞必罰の威令が行き渡っている。

必敗の兆候
(1) 兵卒が軍務を怠り、些細なことにも浮足立つ。
(2) 兵卒が礼儀に欠け、将軍を信頼せず、平気で軍法を破る。
(3) むやみに敵を恐れ、その反面、計算高く、利益に敏感である。
(4) やたらに運、不運を口にし、神がかり的な言辞に一喜一憂する。

(解説)
有能な人材がマーケットに簡単に転がってはいないから、無能な人材をいかに有能な人材に育てていくかといった根気が必要だ。

スタッフがのびのびと仕事をしている雰囲気がなければならない。ノルマだの、上司の一言にびくびくしている環境では能力を生かしきれない。心の底から命令に従う気持ちを起こさせなければならない。恐怖だけでは人は従わない。

スタッフが自分でやる気を起こす環境を作れるかどうか。結果を出しただけ報酬が受け取れるようなインセンティブがあるか。スタッフ個人のキャリアアップにふさわしい制度が用意されているか。

何かネガティブな話が飛んでくると、スタッフが大丈夫なのだろうかと不安にさせるような環境では困る。リーダーが率先して根拠もつけたうえで不安を解消しなければならないだろう。強力な競合相手が何かしてかけてきたら、どうせダメだと思わせるような組織ではならない。向こうが来ているなら、こっちもカウンターしてやるぐらいの威勢の良さがスタッフには必要なのだ。

[教訓]
〇最初から優秀な人材はいない。育てろ。
〇スタッフの能力を生かす会社の雰囲気を経営者が準備しろ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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