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強みはどうやって作り出すのか

それ人の勢に因りてもって悪を伐たば、黄帝も共に威を争う能わず。人の力に因りてもって勝ちを決すれば、湯・武共に功を争う能わず。もしよく因を審にしてこれに威勝を加えなば、万夫の雄将も図るべく、四海の英豪も制を受く。

(現代語訳)
時の勢いに乗じて悪を討てば、聖天子の黄帝も及ばぬほどの威力を発揮することができる。味方の力を結集して勝ちを得れば、名君と言われた殷の湯王や周の武王も及ばぬほどの功を立てることができる。己の力の由って来たる源泉を把握し、それを十二分に発揮して相手に望むなら、万人に将たる雄将でも、天下の豪傑でも、屈服させることができる。

(解説)
会社にとって、力の源泉とは、そのビジネスが持つ強みの事である。起業時の場合、会社の強み=自分の強みのこと。結局のところ、あなた何屋で何が得意なんですか、というところが明確でないと、その人に仕事を依頼しようがなくなる。

仕事を依頼しようと思った人がいて、あなたが何屋かを知っていても、その何屋がたくさんいる場合には、その中から誰かを選ばなければならない。そうなると次は、他の競合と比較して、何が違うのか、そしてその違うところが仕事を依頼する人にとってそんなメリットがあるのか、それが強みである。自分の強みでも何でもないことをやっていても、大した結果は出ないし、結果が出てもたかが知れている。そもそも気合も乗らないから、あんまりうれしくもない。それ故自分の強みを把握することが起業の第一歩と言える。

強みを把握するときに邪魔になってしまうのは、自分が空気を吸ったり吐いたりするくらいに自然にしていることが、まるで強みに思えないことである。案外人から指摘されて初めて気づくこともある。え、それって強みなの?当たり前のことだと思うんだけど。

強みは実はわざわざ自分で見つけなくても、他人の方がわかることが多い。自分だと、当たり前のようにやりすぎているから、特技でもないし、大したことがないから強みだと思えない。

また、どんな仕事をしていても、サラリーマン時代にやってきたこと、毎日コツコツやってきたことも強みになっている可能性の高いものである。もちろんそんなスキルなら、誰しも持っている。確かにそうなのだが、そこに自分らしさという付加価値を作れば、それは何よりも強みになる。仕事のやり方を自分で創意工夫して効率化したもの。それが十分に強みとなりうる。

強みというモノはわざわざ新しく生み出すものではなく、コツコツとやった中にこそあるのだ、それをまず自覚せよ。

[教訓]
〇強みは新しくわざわざ作るものではない。既にあるもの、あるいはちょっと自分らしさを加えたものだ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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