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やる気がある人材を採用せよ

斬断の政とは、教令に従わざるの法を謂うなり。その法に七あり。一に曰く、軽。二に曰く、慢。三に曰く、盗。四に曰く、欺。五に曰く、背。六に曰く、乱。死地に曰く、誤。これは軍を治るの禁なり。
断ずべくして断ぜざれば、必ずその乱を受く。故に斧鉞の威を設け、もって令に従わざる者を待ちてこれを誅す。軍法等を異にし、軽きを過め重きを罰し、令、犯すべからずして、令を犯す者は斬る。

会を期して至らず、鼓を聞きて行かず、寛に乗じて自ら留まり、避廻して自ら止まる、始めは近づくも後遠ざかり、名を喚びても応ぜず、車甲具わらず。これ軍を軽んずるとなす。軍を軽んずる者は斬る。
令を受けて伝えず、令を伝えるも審ならずして吏士を迷惑す。金鼓も聞かず。旌旗も観ず。これ軍を慢ると謂う。軍を慢る者は斬る。

(現代語訳)
命令に違反する者は断固として処断せよ。命令違反は次の7種類に分類できる。
(a) 軽んじる。
(b) 慢る。
(c) 盗む。
(d) 欺く。
(e) 背く。
(f) 乱す。
(g) 誤らす。
軍においては、これらの命令違反を許してならない。処断すべくを処断せずに放置しておけば、必ず禍を招く。そのため将軍は王から授かった斧鉞の権威にかけて命令に従わない者を誅殺するのである。軍法の罰則規定には軽重の差があり、軽罪は戒告、重罪は厳罰に処すが、いずれにしても命令違反を見逃してはならない。違反者は断固として処断すべきである。

7種類の命令違反について説明する。
(a) 軽んじる。
期日までに約束の場所の姿を見せない。進軍太鼓を聞いても飛び出さない。人目につかないときに物影に潜んで動こうとしない。初めは近くにいても姿をくらませる。名を呼んでも答えない。装備や武器が不十分である。このような者を「軍を軽んじる」という。こういう者は処断すべきである。
(b) 慢る。
命令を受けても他に伝達しない。伝達しても内容が不正確で、将兵を混乱に陥れる。進軍、後退を指示する金鼓にも耳を貸さず、軍の旌旗をも無視する。このような者を「軍を慢る」という。こういう者は処断すべきである。

(解説)
土建屋で昼食に出ていったっきり、チームごと現場に戻らない。夕方に現れたが、全員がぐでんぐでんに酔っぱらっていたというケースがあった。後は前日、業者に現場に向かって作業をするように命じたが、現場に現れず、クライアントからまだ来ないと催促の電話があった。あんまり信頼しきっていると信用問題になる。土建屋のいいところはそれでも日給月給なところがあって、休むとそれだけ給料が減る。一般の会社でも無断欠勤は、日割りで給料を削るのが通例だ。

前者の例は厳重注意のみ、もちろん半休扱い。後者の例は全休扱いというだけでなく、以後、建設業者の監督がその業者を連れていくことまでした。ただ、その現場は別の真面目な業者を派遣した。

結局のところ、労働者のやる気の問題なのだ。そしてその仕事にどれくらいかけているか。普通の感覚からすると、仕事を受けた以上はやるのが当たり前だし、命令に服さないということは、あまりにひどい場合には退職のカードを切ることになる。やる気がないのならば、双方で手打ちにした方がいい。肉体労働に関わらず、新興国の労働者の方がやる気が凄い。こういう人たちを相手に、日本人はグローバル社会を戦わなければならないことに気づかなければならないが、なんかのほほんとした人が多い。

リーダーもグローバル人材の採用に積極的になる時期が来ているのかもしれない。必ずしも日本人の方が有能なんて言う時代ではなくなっているのだから。

[教訓]
〇リーダーはグローバル人材の採用も考慮に入れろ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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