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レッドオーシャンとブルーオーシャン、それぞれの効果的な戦い方

それ林戦の道は、昼は旌旗を広め、夜は金鼓を多くし、利は短兵を用い、巧は設伏に在り、あるいは前を攻め、あるいは後ろを発く。叢戦の道は、剣楯を利用し、まさにこれを図らんと欲すれば、先ずその道を度り、十里に一場、五里に一応、旌旗を偃戢し、特に金鼓を厳にし、賊をして手足を措くならしむ。谷戦の道は、巧は設伏にあり、利はその後に殿し、彊弩を列べてこれを衝き、短兵を持してこれに継ぎ、彼前むを得ず、我往くを得ず。水戦の道は、利、船楫に在り、士卒を練習してもってこれに乗じ、多く旗織を張りてもってこれを惑わし、弓弩を敵にしてもってこれに中て、短兵を持してもってこれを捍ぎ、堅棚を設けてもってこれを衛ぎ、その流れに順いてこれを撃つ、夜戦の道は、利、機密にあり、あるいは師を潜めてもってこれを衝き、もってその不意に出であるいは火鼓を多くして、もってその耳目を乱し、馳せてこれを攻め、以て勝つべし。

(現代語訳)
林の中での戦いは、昼は旌旗を押し立て、夜は金鼓を打ち鳴らす。武器は刀剣を使用し、伏兵をおいて、前面から攻撃をかけ、同時に後尾を攪乱する。
草原での戦いは、武器として剣と楯を使用する。出撃に先立って、先ず道路を調査し、十里ごとに宿営、五里ごとに物見をおき旌旗を林立させ、金鼓を乱打して気勢を上げ、敵の度肝を抜く。
渓谷での戦いは伏兵に適している。勇敢に戦うことによって活路を見出す。すなわち、足に自信のある兵卒を選んで岩場に取りつかせ、その後から決死隊を繰り出す。一斉に強弩を射かけてから、刀剣を帯びた兵を続かせ、白兵戦を挑む。
水上での戦いは、舟を利用する。そのためには士卒に水戦用の訓練を施さなければならない。旗指物や幟を張り巡らせて敵を惑わせ、一斉に矢をかけて、流れに沿って攻める。堅固な棚を作って敵の反撃に備える。敵の攻撃には刀剣をもって迎え撃つ。
や線では、敵に作戦行動を気取られてはならない。隠密に部隊を繰り出して、敵の不意を突く。場合によっては、一面に松明を灯し、太鼓を乱打して敵兵の耳目を乱し、襲い掛かる。これが勝利の秘訣である。

(解説)
レッド・オーシャンとは、競争の激しい既存市場であり、ブルー・オーシャンとは未開拓の競争のない新しいマーケットの事である。それならばブルー・オーシャンの方がいいと簡単には言えない。そのような美味しいマーケットには簡単に巡り合えないからだ。

レッド・オーシャンは既存企業が乱立しているから、上手くやれば生きてはいけるかもしれない。そこにはニーズがあるからだ。しかしブルー・オーシャンの場合は、ニーズを探し当てるのが難しい。それぞれに応じた戦い方がある。ここではブルー・オーシャン戦略の実行の仕方を見てみよう。

(a) 戦略キャンパス
戦略キャンパスでは横軸に対象となる「事業の競争要因」を取り、縦軸に「そのレベルの度合い」を取る。そして競合企業も含めて自社がその中でどのようなポジションにいるのかを折れ線で表示する。この折れ線が他社とどの程度一致しているのかで自社の現状を認識することができる。

(b) アクション・マトリックス
上記を基に既存の事業の各競争要因に対して、「取り除く」、「増やす」、「減らす」、「付け加える」、という4つのアクションを行い、新しく商品やサービスを再定義しなおす。

上記の手法等により新しいブルー・オーシャンを作りだしていくことで、企業は高い付加価値を持つ新しい市場を開拓できる。

[教訓]
〇レッド・オーシャンとブルー・オーシャンそれぞれの戦い方がある。
〇ブルー・オーシャンの作り方は戦略キャンバスやアクション・マトリクスを用いる。
〇既存事業の競争要因に対し、除外、増減、付加を行うことで新しい商品を再定義する。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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