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リーダーがしなければならないこととは

将に五善四欲あり、五善とは、所謂善く敵の形成を知り、良く進退の道を知り、良く国の虚実を知り、良く天の時、人の事を知り、よく山川の険阻を知る。四欲は、いわゆる戦いは奇ならんと欲し、謀は蜜ならんと欲し、衆は静ならんと欲し、心は一ならんと欲す。

(現代語訳)
将軍の務めは、次の五善、四欲にある。
五善:
(a) 敵の状況を把握する
(b) 進退の判断を的確にする
(c) 国力の状況をわきまえる
(d) タイミングを知り、部下を把握する
(e) 地形の険阻を熟知する

四欲:
(a) 戦いは相手の意表を突く
(b) 秘密を厳守する
(c) 統制を尽くす
(d) 心を一つにまとめる

(解説)
まずは五善から。競合相手の状況を把握し、事業を開始するとき、あるいは撤退するときの判断を的確にする。自社の状況をわきまえる。そして事業開始、拡大等のタイミングを見計らい、その時に対応できるかどうか部下の状況を把握しなければならない。地形の険阻とは、マーケットにおける自社のポジショニングのこと。自社に有利になる立ち位置を見つける必要がある。

次には四欲。競合相手にこちらの攻めのタイミングを計らせず、その手があったかと思わせる方法をとる。同時に顧客に対しては、普通のアプローチをとらない。顧客ニーズをとらえたうえで、飽きさせない方法を採用する。マーケティング戦略については、パートナーやスタッフでアイデアを出し切ってみよう。技術的な会社であれば、秘密の厳守は当たり前。そしてスタッフの管理に気を配る。これはインセンティブ制度の構築等も含む。さらに何によりも、会社が一丸となるとなるように仕向けること。リーダーや取り巻きだけが明後日の方向を向いているような、スタッフが白ける組織を作ってはならない。

[教訓]
〇リーダーにとって外的要因の把握が5つ、内的要因の把握が4つ必要とする。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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