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短期間で成功させようと思うな。かえって上手くいかない。

それ計謀は密ならんことを欲し、敵を攻むるは疾からんことを欲す。獲ること鷹の撃つがごとく、戦うこと河の決するがごとくならば、兵いまだ労せずして、敵自ら散ず。これ用兵の勢なり。故に善く戦う者は怒らず。よく勝つ者は懼れず。ここをもって智者は先に勝ちて而る後に戦いを求む。闇き者は先に戦いて而る後勝ちを求む。勝つ者は道に隋いて途を修め、敗る者は斜行くして路を喪う。これ順逆の計なり。将はその威を服し、士はその力を専らにすれば、勢虚しく動かず。運らすこと円石のごとく、高き従り下に墜つれば、向かうところの者は砕けて、救い止むべからず。ここをもって前に敵なく。後ろに敵なし、これ用兵の勢なり。

(現代語訳)
作戦計画は秘密にしなければならない。敵を攻撃するときは疾風のごとく、殲滅するときは、鷹が獲物を狙うように迅速であらねばならない。そして戦いはすべからく奔流する河川のように決着をつけなければならない。こうしてこそ、味方を損耗することなく敵に勝つことができる。
戦争上手は感情に左右されない。智者は戦争を始める前に万全の計画を立て勝利を確実にする。これに対して愚者は、勝利の見通しを立てずに戦って勝ちを求めようとする。
勝者は道なりに進み、敗者は近道を選んで結局は道に迷う。やることが逆なのだ。
将軍があるべき威厳を保ち、兵士がそれぞれの持ち場で死力を尽くす。こうしてこそ軍は本来の力を発揮する。丸い石を坂の上から転がすようなもので、どこにも無理がなく、立ちふさがる者すべてをなぎ倒す。このようにして軍は無敵の強さを発揮する。これが用兵の極意である。

(解説)
成功者は事前準備をして事業計画を策定する。ただ鉛筆なめなめしたものではなく、実現可能性の高い事業計画とする。保守的に売り上げ計画を立て、コストは上乗せして作ったという単純な話ではない。売上は、実行する、あるいは実行中の営業戦略に則って作り上げたものだ。失敗者は事業計画を策定しない。策定するときは資金調達の時にやむを得ずだ。事業計画の目的が異なっている。

成功者は自然の流れに乗る。つまり道路があれば道なりに進む。失敗者は早く成果を得ようと思って近道を進む、その結果途中でぬかるみにはまって出られなくなったり、つまづいて転んだりする。すぐに成果を出そうと思った時点で成功者にはなれない。成功までの道のりは時間がかかるのだ。

[教訓]
〇成功者は実現可能性の高い事業計画を作成する。失敗者は事業計画を資金調達のためだけに作成する。
〇成功者は道を道なりにすすむ。失敗者は道の上を歩かず、最短コースをとってコケル。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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