「その男は何故追われていたのだ・・・」
「自分がなぜ追われていたかは・・・その命を救ったわしにも話そうとしなかった・・・しかし、わしは・・・その男の目に“真実”の光を見ていた・・・だからわしはあえて聞こうとはしなかったのだ・・・わしはどんなに飾った人間より“真実”を持つ人間を信じる・・・」
(ストーリー)
アメリカ合衆国・アイダホ州、ラブワイ・インディアン保留地に、二人の長老と一人の酋長とが集っていた。白人からウランが出るから土地を売れと言われている。白人からこれ以上豊かな土地を奪われるわけにはいかない。
インディアンの中にも金に釣られて土地を売ろうとする輩が出てくる。インディアンが誇りを失わないためには、大酋長スタンディング・ベアの復活が必要だと考えた。
レッド・ムーンという馬がいて、大酋長スタンディング・ベアでなければ乗りこなせないだろうと、インディアンは考えていた。スタンディング・ベアこそはインディアンを守った英雄であり、伝説であったのだ。
ゴルゴは昔、この谷でインディアンに救われたことがある。そして今回はゴルゴがインディアンを助けに来た。
部族会議で土地の売却を決定するという。その会議の前に祭りが催され、そこにゴルゴがレッド・ムーンに乗って表れた。インディアンは誰しも、スタンディング・ベアが復活すると信じた。白人に土地を売るインディアンがゴルゴに銃を向け、ゴルゴは射殺し、その場から立ち去る。警官が追うがゴルゴは伝説のように馬を山の上に登らせ、消えていった。
伝説に勇気づけられたインディアンたちは白人に土地を売らずに、その土地に残ったという。
(解説)
「蘇るスタンディング・ベア」の一幕である。ゴルゴを酋長が助けたときの話をしていた。その時の長老と酋長の会話である。今は、飾ることばかりを考えていて、真実を持つ人間が少なくなった。そもそも飾る人間を尊ぶしか人を見る目がない奴ばかりがはびこっているからだろう。ただ売れればいい。そこには事業の本質などない。
真実の先には真実しかない。飾った先には空虚しかない。みんな空虚に踊らされているだけなのだ。数字は真実を隠す道具でしかない。数字で着飾る奴ほど信頼できない者はいない。
[教訓]
〇人の目の中に真実を持つ人間、いわゆる信念ともいえるが、それを持つ人間と仕事をせよ。それは間違いなく伝説級の人材である。