「祖父の代までは鉄鋼工場をやっていたのですが・・・それを父の代で真空管の事業に切り替えたんですよ・・・今じゃあ総合音響メーカーですがね。」
(ストーリー)
ドイツのクーゲル・ブリッツ社には、音楽ホールがあった。会社の会長ブラウラーは自ら市民オーケストラの指揮者を務めていた。この会社は総合音響メーカーであった。
ブラウラーの下に、ズーコフがやってきた。ドイツ帝国放送の刻印があるテープを持ってきた。それは1943年物のフルトヴェングラー指揮の演奏である。ブラウラーはズーコフからこのテープを購入した。
ブラウラーは、ティンパニーの音のアンサンブルが乱れている。しかもブラウラーの父が帰ってこなかった日付と一致している。実はこの日、貴賓席にヒトラーを迎えてフルトヴェングラーの演奏会が催された。そしてブラウラーは銃声の音が聞こえると感じた。
会社の音響研究所で解析された。その銃声によると、モーゼルKar98K、演奏会中に狙撃があった。演奏場所は、研究者によれば、うちのコンサートホールのような場所。狙撃場所もわかった。
演奏会当日にヒトラーが座っていた場所に、今日はズーコフが座っている。そして演奏中、ティンパニの音と同時に、ズーコフは狙撃された。ブラウラーは刑事から当時の真相を聞いた。実は父親もゴルゴと同じ狙撃地点から狙撃し、身を投げ、投身自殺をしたと。フルトヴェングラーは狙撃地点に、父を見て、その意図に気づき、アシストを決意した。
(解説)
「S・F・Zスウォルツァンド」の一幕である。コンサートを訪れた客に、会社の会長として、そして市民オーケストラの指揮者として、会社の説明をした。祖父の代は鉄鋼工場、父の代は真空管事業、そして今は音響機器メーカーである。ブラウラーが10歳の時に父が死んでいるから、おそらくはその後、誰かが父を引き継いでいたのだろう。さすがに10歳の子供が会社の経営者はやっていないだろう。
さて、100年弱の時間軸で、これだけ会社の事業とは変わる。その時代にあったビジネスを手掛けていくしかない。創業当時と同じ事業を続けているわけにはいかなかろう。いかにその時代にあった事業を展開していくか、アンテナを張って、当たるビジネスを見つけていかなければならない。特に中小企業は、毎年新しい事業を手掛けるくらいでないと生き残れない。それくらいに栄枯盛衰が激しくなっている。
[教訓]
〇中小企業なら、毎年新規事業を手掛けろ。その時に応じた儲かるビジネスを展開していかなければ、企業は存続しない。