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根無し草的な生き方の方が上手くいく

「なあ、キルヒアイス、気がくさってしょうがない。腐敗した土に根付けば、樹木も腐る。いっそさっきと次の大きな戦闘が起こってくれないものかな。そうなれば、こんな腐臭の漂う場所にいなくて済むし、また階級だって上がる」

(解説)
根無し草とは、地中に根を張らず、水に浮いている草のことであり、良い表現には用いられない。ジョブホッパーにも用いられたりする。つまり定職が中々定まらない人物のことである。しかしこれは雇う側の論理ではないだろうか。ていうか、なんで同じところにずっと勤めなければならんのか。石の上にも三年とは言うが、別にこりゃ駄目だと思ったら、去ったっていいじゃないか。まあ、これはまた起業する側の論理であるが。ジョブホッパーをやっていると、そのうちに雇ってもらえなくなる。要するに飽きっぽい人と思われるからであって、飽きっぽいのがなんで悪いのかと思う。飽きっぽいという事は、新しいものに目が行く視点を持っているという長所である。まあ、それだからこそ起業家向きなのかもしれないが。

コロナショックで、そんなバカなことに気づきつつある人も増えてくるのではないかと思う。一度やり始めたら、やり続ける、そのバカらしさに。それに一度関わった組織が腐っていたら、そこに根を生やしたら、そこで勤める従業員も身も心も腐ってくる。そうであるならば、腐らないようにするために、根を生やさず、水耕栽培のように生きた方がいい。

もはや、やり始めたら継続して報われる社会でもない。植物は根からも養分を得るため、本来根無し草とはあり得ない。もっともある土地に根を生やさない草という意味なのだろう。そもそも、根っこがない人間も多い。これは自分の信念というものだ。信念があって、それを達成するために、ジョブホッパーになっている奴もいる。むしろ信念がない奴の方が、どこかに根っこをはやすのではないか。他人から養分を吸い取らなければ生きていけないのだから。

信念とは、その人のやりたいことである。それを達成するために、国家公務員ならなければならないのであれば、なればよいし、大企業に勤めなければならないのなら、勤めた方がいい。一概に雇われ人だから信念がないとは思わない。しかしほとんどの人の信念とは、雇われよりも雇う側に回った方が、達成しやすいように思う。つまり雇われない生き方である。

企業だって、本社なんていらない、と言っている経営者もいる世の中である。経営理念・存在意義という根っこがあれば、それ以外はいらない。どこかに根を張らなければならない理由もない。そもそもコロナショックのような、ドラスティックな変化が起きたら、生き残っていけやしない。

根無し草とは、むしろ信念がなく、いつまでも雇われ根性を持っている奴を批判すべき言葉であって、ジョブホッパーとか飽きっぽい人に用いられるべきではない。

(教訓)
〇根無し草とは、本来、信念がない奴を言う。
〇信念があって、ジョブホッパーをやっているのであれば、それはそれでよい。そのような人材を雇うか雇わないかは、雇う側が決めればいい。まあ、そのような人材は、自ら選んでフリーランサーで生きるべきだと思うが。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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