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従業員に機密情報を漏らさせない方法とは

「すると軍隊の中に、麻薬を扱う非合法組織が存在するとお思いなのですか」
「さよう、組織です。一人の力でやれることではありません。麻薬を栽培する者、加工する者、売りつける者、それによる利益を分配する者。彼らの共通の利益は巨大なもので。勢い結果は強く、口は堅くなるのです」

(解説)
キルヒアイスはせっかくの休暇であるのに、事件に巻き込まれ、捜査協力をすることになった。その捜査を行っているホフマン警視とキルヒアイスの会話である。

どのように事件に巻き込まれたかというと、カイザーリング男爵がある暴徒に襲われたが、その暴徒は軍関係者で麻薬の常習者であることが判明した。軍関係の事件は、軍の人でないと解決できないとのことであった。

麻薬を栽培すると、まさに金のなる木であるから、麻薬栽培農場に対する強盗も絶えないらしい。それでキルヒアイスが言うように、軍隊の中に麻薬を扱う非合法組織が存在するのではなくて、警備として軍隊が必要らしい。

ホフマン警視によると、麻薬ビジネスには、麻薬栽培農家、麻薬加工者、麻薬販売者、そしえこれらをマネジメントして利益を分配する者がいる。それに当然警備や運搬業者も必要だろう。これだけ多くの人間がかかわっていると、どこからか情報が洩れる。想像ではあるが、末端にも十分に報酬を払っているケースと、報酬を払わずにいざという時に暴力という手段によって、恐怖による口封じを場合もあるだろう。まあ、こんな商売であるから、他人にバラしたら、自分の身体がバラされてしまう。

利益をむさぼれる立場にいるものは、秘密は絶対に守る。しかしそうでない者からは秘密が漏れる危険性がある。少しもらっていても、もっともらっている人がいれば、それを妬むケースもあるかもしれない。

秘密を持たさないためには、そこで関わる人間には高額な報酬を払うか、誰がいくらもらっているかに関する情報は漏れないようにし、さらには、恐怖で情報漏洩を抑えるなどの工夫が必要である。しかし、普通の会社であれば、脅迫するのはできないから、組織の関係者がウィンウィンになることを考えよう。

(教訓)
〇高額の報酬を関係者に払えば、情報は漏れない。
〇情報よりも、個人の報酬額を減らさない方が、会社で守るべき機密情報を漏らさなくできる可能性が高まる。
〇当然法的整備等、機密情報漏洩の制度はしっかりと整備しておくべきである。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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