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柔軟性と臨機応変

「それは高度の柔軟性を維持しつつ、臨機応変に対処することになろうかと思います。」
「もう少し具体的に言ってもらえんかな。あまりにも抽象的過ぎる。」
「要するに、行き当たりばったりということではないのかな」

(解説)
同盟軍のアンドリュー・フォーク准将と、第10艦隊司令官ウランフ中将との会話である。要塞の攻略によって、帝国側とのパワーバランスが同盟側に傾いたため、帝国領土へ進行しようと、同盟側がいきり立っていた。

柔軟性とか、臨機応変と言うと、機転が利いて良いイメージがするが、それを裏返して言えば、要するに行き当たりばったりになる。こう見ると悪いイメージでしかない。

今までの社会は計画的な方が尊ばれたが、もちろんこれからも基本は計画的であることが望まれるが、今の経済状況において、計画的に事が運ぶかと言うと、もはやそんなことはあり得ない。

いつ何時、感染症ショックのような、パラダイムシフトが起きないとも限らない。数十年、傷口から癒れば、忘れられ、元に戻るかもしれない。人は案外馬鹿だからだ。しかし、またショックが起きれば、どうなるかわからない。売上が蒸発する。そんなことが現実に起こったことを忘れてはならない。どんな優れた経営者であったとしても、そのショックを計画に織り込んでいた者がいようか、いないだろう。もちろんそういったショックに備えて、財務力を強化、具体的には内部留保を積み増していたり、あるいは金融機関との良好な関係を継続する努力はしてきたろうし、大被害にならない会社だってあったはずだ。被害どころか、逆にフィーバー並みの特需があった会社もあるだろう。

それ故、会社経営は、常に計画的であり得ることはなく、だからと言って無計画と言うわけにはいかないが、何か不測の損害が起こることを想定しつつ、業務を拡大し続けなければならない。だから、結局は行き当たりばったりがこれからの経営のキーワードなのだ。それをまともに銀行に言ったら、ダメ経営者として烙印を押されるが、そもそもその不測の事態がありうることを想定しておかなければならない、ということは確かだ。

まあ行き当たりばったりは心の中で唱えて、高度な柔軟性をもって、臨機応変にとでも言っておけばいい。何ていい言葉なのかと思う。

(教訓)
〇会社経営は、高度に柔軟性を維持しつつ、臨機応変に対処せよ。
〇行き当たりばったりがこれからの経営のキーワードだが、心の中でとどめておこう。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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