世界の歴史を題材とした起業家応援メディア

知るべき人だけに知らせろ。すべてを情報共有させると組織は動かない。

「主任、どうして葉剣英同志にも“小東郷”のことを、あのように報告したのですか?・・・」
「葉剣英同志も、同じ仕事をあの三人にやられていたからだ・・・」
「し、しかしいいんですか・・・?あんなでたらめの報告をして・・・」
「“小東郷”は死んでいたのだ!それでいいんだよ、それで・・・これ以上長老たちに弁公堂を、引っ掻き回されたのではたまらん!!・・・いつまでも長老ずらするのはこれくらいにしておいてもらおう」

(ストーリー)
葉剣英とは、中国人民解放軍の創立者の一人。1986年に死去したが実在の人物である。毛沢東の遺言に「小東郷に会ってみたい、小東郷を探せ」があり、これを実行したいと部下に告げる。

小東郷は第二次世界大戦時に、東郷と名乗った日本人の子であり、3歳のときに銃撃戦に参加したという。そして、毛沢東が目をかけ、軍人としての英才教育を施した。そして小東郷は大人もかなわない戦闘機械になっていった。小東郷は毛沢東の子供ではないかという者もいたそうだが、出生の探りに係ると、小東郷は消えた。

中国のメンバーは日本の藤尾代議士(細菌作戦の実行者で、現在はアラブ関係のロビイスト)の元を訪れた。小東郷は優秀な血を掛け合わせたスーパー種族で生まれた子供だという。父親は東郷平八郎元帥の孫。母はジンギスカンの末裔。そして今、藤尾はゴルゴに狙われていた。今回の依頼人は、イラクの海外保安局。結局、藤尾はゴルゴに窓越しに射殺された。

中国のメンバーがゴルゴの名前を聞くと、小東郷とは、ゴルゴではないかと。そして彼らは小東郷の父親東郷宗介と面会する。また、東郷宗介はゴルゴと接触し、すっかり自分の子供だと思っていた。しかし子供が妻を殺したことを知っており、宗介はゴルゴを殺すというが、返り討ちにされる。

また、マッジ・ペンローズ(以前、ゴルゴのミステリー小説を書こうとして、自らを標的にされ殺された作家)の原稿を取引している現場に、中国のメンバーがやってきて、その原稿を奪おうとした。しかしその場にゴルゴもやってきて始末されてしまった。

そして、葉氏のところに、例の三人が死亡したと伝えに来た者がいた。

(解説)
「毛沢東の遺言」の一幕である。現責任者は、旧責任者からの依頼で、自分も部隊が動かされることを苦々しく思って、小東郷は死んでいたことにしてしまった。しかし、組織においては真実を伝えない方がいいということもある。組織では真実は上だけ知っていればいい。下っ端や関係者は知るまでもない。すべて知らせると、個人が考え出し、モチベーションが下がったりすることもある。寄らしむべくして知らしむべからずが組織の基本である。

[教訓]
〇組織の上が知っているべきことを、同じように組織の下が知っているべき必要はない。また組織の関係者もまた同様である。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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