「私として言えるのは、情報部が空軍や機甲部隊と同じく重要だ、と判明したということだけである」
「情報活動で、あらゆる情報を集めるのと同じくらいに大事なことがある・・・それは経験によるカンだ・・・私は、あの男を見つけた瞬間、何かを感じた・・・言葉を変えれば、あの男の持ってる“におい”が、私の“カン”を逆なでしたのだ・・・私はこの仕事に生命をかけている!・・・そして、そんな私のカンを最も重視し、信用している!」
(ストーリー)
ゴルゴがイスラエルにユダヤ人になり切って潜入した。ユダヤ人はアフリカ系、アラブ系、ドイツ系、東欧系等の色々なユダヤ人がいる。外見的にユダヤ人と非ユダヤ人を識別することはできない。しかも母親がユダヤ教徒であれば、子供をユダヤ教にするという掟もある。こうなるとユダヤ人とはユダヤ教徒といえる。
イスラエルに入国する者の中に、パレスチナの工作員もいた。入国管理局にいた国内防諜保安機関(シャバク)のシャレット大佐がおり、ゴルゴを怪しい物と睨んでいた。自分の娘をゴルゴの下にやり、割礼痕を確認させることもまでさせた。
今回のゴルゴの任務はアルファタ、PLO、PFLP等アラブ側の依頼で、イスラエルのモサド養成所の破壊や訓練生殺害である。ゴルゴは金曜日の夜、安息日に行動し、訓練所を破壊、それを追ってきたシャレット大佐も殺害した。
(解説)
「潜入者の素顔」の一幕である。前段はイスラエル国防相、モシエ・ダヤンの言葉である。情報の必要性は、孫子の時代から言われている。まさに「彼を知り己を知れば百戦危からず」である。知らなければ危険である。戦力も必要だが、情報が正確でなければまるで役に立たない。
後段はシャレット大佐の言葉である。情報と同じくらいに重要なのが、経験に基づくカンである。勘をバカにしてはいけない。勘は今までその人が長年をかけて収集してきたデータベースを基礎として、瞬時に閃きを得る回答である。勘とは適当ではないのだ。じっくり考えたことよりも役に立つこともある。じっくり考えなおしていれば、ロジックに合致していることが多い。
ビジネスに重要なのは情報と、そして経営者のカンであるといっても過言ではない。
[教訓]
〇ビジネスに重要なのは情報と経営者のカン。