「・・・1ドル103円なんて、そんなに日本経済は強いもんかねえ・・・」
「そんな事、気にしちゃ、この世界では生きていけませんよ!ファンダメンタルよりセンチメンタル!」
(ストーリー)
円高が進み、アメリカの財務次官から元日銀総裁松下に、日米包括経済協議における貿易の数値目標を設定するように脅しがあった。松下は、四菱と東亜の合併で尽力した坂本が生きていればこのようなことにはならなかったと悔いた。
四菱と東亜の合併でやまと銀行となり、坂本の秘書室長と勤めていた滝田のところに、大蔵省国際金融局の山崎が訪ねてきた。この円高はアメリカの罠であり、これを阻止する計画を坂本から託されたという。そこで滝田に協力を仰いだ。
滝田と山崎は、元日銀総裁松下と、四菱グループ総裁志村の協力を得て、行動を開始した。滝田は全米公務員退職者年金基金を訪れ、GP社の持分を購入。さらにGP社を訪れ、51%超の株式をもって、GP社スタインベック会長の解任を決議。
山崎は財務次官リプケンの元を訪れ、GP社の経営権を保有したことを伝え、第三世界への武器輸出を中止させ、地域紛争の激化を食い止めると宣言。さらに国防上の機密を入手し、アメリカの国防政策を見直す必要に迫られると伝えた。
山崎はゴルゴに、アメリカ財界に力を持つランドルフの殺害を依頼。その計画を滝田に話すも、滝田は反対する。ゴルゴはランドルフを狙撃。為替操作の資金面の最大のスポンサーを失ったリプケンは、山崎の計画に乗ることを決意。さらに日本とドイツで公定歩合を同時に引き下げる、これでドル高になる。ゴルゴはランドルフを殺害し、その後にすぐに警官がビルの下まで来ていたため、山崎が情報を漏らしたとして、山崎を射殺する。死の間際、滝田が情報を漏らしたことを知る。
(解説)
「オフサイド・トラップ」の一幕である。滝田が銀行の為替ディーリングルームにいたときに、滝田と責任者の会話である。ファンダメンタルというのは国や企業等の経済状態等を表す指標である。企業であれば、売上高や利益、業績、資産や負債などの財務状況を示している。
本来は、株式とは企業のファンダメンタルズによて、為替も国と国との経済状況によって決まるはずだが、毎日為替や株価が変動するのは、ファンダメンタルズを中心としてではあるが、それ以外の要因によって決まっている。当然、株価や為替は、それぞれの需給関係によって毎日値が動いている、それはむしろ感情で動いている。その逆語が理性的、論理的となる。つまりファンダメンタルズは理性的、論理的であり、センチメンタルズは感情的と言い換えることができる。
さて、会社の商品やサービスも、本来の質、つまり理性的や論理的を基準にするも、それは大きなものではなく、顧客がどのように感情的に受けるかによって、決まる。マーケティングでは、間違っても理性や論理に訴えても、お客側としてはぐっと来ない。やはり感情に歌えかけなければならない。それは証券市場であれ、普通の市場であれ、同じことなのだ。
[教訓]
〇マーケティングもファンダメンタルではなく、センチメンタル重視で。