「私は、毛沢東主席によって二度、地獄に突き落とされ・・・そこから這い上がってきたのだ・・・奴も・・・劉白連もこの国を治めたいのなら、少しは苦労せんと、な・・・」
「・・・後継者ということか・・・?」
(ストーリー)
北京に超能力者と呼ばれる楊銘飛という男がいた。この時期、鄧小平が病床におり、権力争いが激化していた。劉白連は天安門事件のときに穏健な方法での問題解決を目指し、逆に動乱支持の大罪を背負うことで追放された。
党中央英語局長の地位にいる陳大邦が超能力者の楊から次期主席になると持ち上げられる。
超能力者楊は、陳に鄧小平を手にかけるように指示した。楊は陳が鄧小平を殺した後で、その事実を公表し、代わって楊自身が最高指導者になるというプランを考えていた。陳が権力レースのトップに躍り出、権力の中枢にあり、自分たちは追われる身となったため、劉は、切り札のゴルゴを使うことにした。
ゴルゴは地下から鄧小平の家に潜入し、その場で鄧小平を殺そうとしていた陳を射殺。さらに超能力者楊を殺害。そこで見ていた人は楊がペテン師であることを知った。
劉は陳一派に逮捕されるが、「残念ながら・・・手遅れだよ」と手錠をはめられながら語った。
(解説)
「鄧小平のXデー」の一幕である。劉は、陳と楊という、鄧小平の後釜を策略で狙おうとする者たちの殺害をゴルゴに依頼して、陳が鄧小平を殺そうとするところを射殺した。そのときに鄧小平に呼び止められ、今の気持ちを吐露した。権力を握ろうとする者は、相手を蹴落としても自分で権力を握ろうとするから、ちょっと油断すると、すぐに出世コースから突き落とされる。しかし、これは権力レースだけではない。
小さな企業から、目立っていくと、競合他社から目を付けられるようになる。その他社が強大な力を持っていれば、潰される可能性も高い。競合に負けるだけではなく、自分がこけたり、お客様からの未払があったり、騙されたり、裏切られたり、はめられたりと、落とし穴は数多い。でもそんな困難に会い、幾度となく蹴落とされ、人生の底から這いあがってきた者が、勝者になれるのである。何度でも何ででも突き落とされ、その都度這い上がる。底辺から出てきた人間は強い。失うものがないからだ。
[教訓]
〇地獄の底から這いあがってきた者が、天下を取れる。だから今どん底にいるとしたら、そこから這いあげれれば、良い思いができることを意味している。今の環境に負けてはならぬ。