「前線で戦う兵士を取るために、リビアや、ゲリラを追ってボリビアにも行った・・・私に火をつける男、そのテーマに憑かれて世界を回ったわ。・・・そして確かにその原点はあの日にある・・・あのシーンを取り得たことで、“今の私”がある・・・」
(ストーリー)
エレーナ・シュトライヒャーはかつて、アドルフ・ヒトラーの映像を残した女性であった。最後に、ヒトラーの自殺も映像に収めた。その後、自分に火をつける男、というテーマで世界を回り、フィルムを取り続けた。
最後の映像はゴルゴだと思った。エレーナはプロモーターであるハンス・フォン・グレーナーにヒトラーの自殺のフィルムを渡す。実はハンスはエレーナの元旦那だった。また、医者に頼んで、自分の義眼にカメラを仕込んでもらった。
エレーナはゴルゴに会い、エレーナが残した、ヒトラーの自殺フィルムをこの世から消してほしいと依頼した。ゴルゴにはハンスに渡したのではなく、奪われたと説明した。
ハンスの家で、ヒトラーの自殺の試写会を開催した。そしてヒトラーが拳銃で自殺する前にゴルゴが映写機を破壊。フィルムが燃えた。また、湖のボートに隠れて、その様子を撮影していたエレーナは、そのカメラの入った義眼をゴルゴに狙撃された。
(解説)
「遺作」の一幕である。ゴルゴを映像で残したいというエレーナと、それに賛成できない、付き人のワンツ。彼はナチスの時代から、エレーナのサポートをしていた。ワンツが原点となったフィルムをエレーナが手放した理由を尋ねたときの回答である。エレーナの撮りたい映像は一貫していた。全ては「私に火をつける男」である。その原点が、アドルフ・ヒトラーの自殺のときの映像であった。
今の自分を振り返ったときに、今を形作った原点というものがあるだろう。その原点は、今自分が目指してきたことの出発点であり、核になるものだ。こういうものを持っているだろうか。明確に言える人は、それなりの結果を出している人だ。その結果は決して、世間的に有名なものではないかもしれないが。
人生のきっかけを大切にしよう。そこに拘ることで、自分らしさが表現できる。そのきっかけは人との出会いかもしれない。自分も人との出会いだった。今でも人生の師と仰ぐ人。まるでその背中に近づくことはできないが、自分の目指す先にはその人の背中があるのである。そこに向かっているという実感があれば、決して自分の歩みは止まらない。どんな障害があったとしても。
[教訓]
〇人生に悩んだときは、今の自分、これからの自分を作るきっかけをもう一度思い出せ。
〇原点は必ず成功への道筋を示してくれる。