「すまない・・・違う方法を考えてみよう。理論上は可能だと思ったんだが・・・」
「プロのお前が可能だと思ったのなら・・・後は、俺の責任ということだ。さあ・・・はじめよう・・・」
「やったっ!!これだっ!!この感覚を忘れないでくれっ・・・信管だけにショックを与えるこの感覚を、覚えておいてくれ!教えてくれっ。俺は役にたったかいっ・・・!?」
「・・・世話になった・・・」
「俺は・・・やったんだ・・・!」
(ストーリー)
ある不動産王が、ゴルゴにポール・アンガスの殺害を依頼した。アンガスとはウルグアイの医者なのだが、相当胡散臭く、原価1ドルの特効薬を施術付きで数万ドルにして売ってしまう。不動産王の妻マリーにとっては、安らかに過ごせる環境と準備だった。それが、アンガスの下で苦痛のうちに死んでいった。アンガスは身辺の警護に金を使い、診療所は見た目はロッジだが内側に3センチの鋼板が張ってある。半年に一度、自慢の庭園でパーティを開く。
缶に貼り付けたコインを、缶に傷を付けずに、しかもショックも与えないようにコインだけを落とす。それを射撃で行おうというのだ。
ロペスが空中地雷を仕掛けにアンガスの診療所にやって来る。パーティが始まると、警備員が一人倒されている。拳銃を奪われたようだ。するとゴルゴが警備員相手に銃撃戦をやっている。しかし携帯武器ではロッジにかすり傷すら与えられないと高をくくっていた。
最後の一発で、ゴルゴは空中地雷を銃で狙撃し、そこから鋼板を噴出し、診療所をアンガスもろとも破壊した。
(解説)
「神の手」の一幕である。ゴルゴにしては珍しく、人に教えを乞うて訓練している。ゴルゴも空中地雷(スキート)を使ったことがないのだろう。それを地上用に応用するために、ひと工夫が必要になったわけだ。
ゴルゴという実行者と、武器の使い方を教えるコンサルタント。コンサルタントは解決法を教えるが、直接解決するのは実行者である。実行や解決も含めてお願いしたら、コンサルタントではなくなってしまう。つまりコンサルタントに事業主であることをお願いするのと等しい。コンサルタントをどう使うか、それは実行者次第である。
[教訓]
〇コンサルタントは解決者ではない、解決方法を教える人である。解決するのはコンサルタントへの依頼者である。これをはき違えたら求める成果が出ない。