「私も、さっき・・・その暗殺の報道を見た・・・そして、急にお前のことが、頭をよぎった・・・高い地位にいるものは、その高さだけ、苦悩もしょっていかねばならぬ・・・主、キリストもそうであった・・・」
(ストーリー)
伝記作家のエッシャーがジルベール国王に宮殿に呼ばれた。マイヤー・ロンブルグの正史をまとめようということになり、エッシャーに白羽の矢が立った。
エッシャーはディベッツ侍従長にいくつか不明な点が残っていると尋ねる。また、国王がしていた指輪がイミテーションであると見抜く。秘密は隠せない。そこで口外したら命がないと脅したうえで事実を知りたいと言うので教えることにした。
ゴードイン陛下はフリーランスの狙撃者を雇った。総選挙の時、マルティン首相が辞表を陛下に提出。総選挙にて、国が南北で独立を叫ぶような大騒ぎになっていた。ディベッツは、両党首を暗殺するしかないとゴードインに伝える。王国の解体は国民の不幸につながる。
ゴードインはクリスチャンである自分が殺人を依頼するということに悩んだ。しかし国民のためと思い、バチカンに法王に会いに行った。王国では王国解体を主張する勢力が議席を伸ばし、政治的に不安定になっている。そこで超法規的手段を講じることにするため、自分を破門してほしいと法王に願い出た。法王は一度ロザリオを預かることにした。
国王は自由になる金はないため、指輪を報酬としてゴルゴに渡した。ゴルゴは二人の党首が密会しているときに二人を殺害した。その後で法王はゴードインの元を訪れ、ロザリオを返還する。結果、ゴルゴについては正史には載らなかった。
(解説)
「国王ゴードインの依頼」の一幕である。国王ゴードインは国の分裂を防ぐため、自ら十字架を背負った。それをおもんばかった法王は、預かったロザリオを国王に返還する。高い地位にいるからこそ悩むのだと。
会社組織においても、上に行けばいくほど悩みは増える。悩みの数だけでなく量まで増える。リーダーだから悩んで当たり前。組織が大きくなればなるほど、個人の主義主張を実行するというわけにはいかなくなってくる。むしろ自分の想いを封印しても、全体的な利益を優先させたり、ある特定層に不利益を享受させることも避けられなくなってくる。
何で苦しみや悩みがあるのか、それから逃げたいのであれば、今の地位を捨てればいい。それを維持したいのであれば、大いに苦しみ、大いに悩むこと。
[教訓]
〇リーダーは苦しみ、悩むのが仕事である。それがなくなったら、リーダーではないね。