「現代の情報機構はあまりにも大きくなりすぎた・・・右手のやっていることを左手が知らん!」
(ストーリー)
米国防情報局に勤務していた一人の女性がいた。名前をディアナという。ゴルゴは外交官ファド、国際石油資本中東代表のドーシーを狙撃した。いつしかディアナは会ったことのないゴルゴに恋を抱くようになった。
ディアナはゴルゴの所在を確かめ、メキシコ・シティーを訪れた。ここで娼婦となって、ゴルゴに抱かれた。そのときにゴルゴの名前を口にしてしまったため、ゴルゴに怪しまれ、その場で射殺された。ゴルゴに射殺される前の感覚を追い求めていたのであった。
さて、メキシコ駐在のソ連大使館の一等書記官ステバン・ミハイロビッチが、ゴルゴの直近の狙撃事件をCIAの仕業として画策した。厳密に言えば、ファドを首謀者に石油価格の引き上げを画策しているというミハイロビッチの怪情報を真に受け、CIAがゴルゴに依頼してしまったものであった。いわゆるアメリカとエジプトとの友好関係を離反させようとした作戦であった。
CIAは種をまくのを手伝ったゴルゴに刈り取りもやってもらうために、ミハイロビッチの射殺を依頼した。
(解説)
「プレイバック」の一幕である。物理的に難しいことはわかっている。しかし、組織の全容を知るのが代表のお仕事である。組織が大きくなればなるほど、求心力が維持できず、組織の部署がバラバラに動き出す。そう考えると、太陽系はすごいのである。海王星が一番遠い惑星であって(昔は、現在は準惑星になっている冥王星までだったが)、規則性をもって太陽の周りをまわっている。太陽は私は海王星なんて知らねえよ、とは恐らく言っていないと思う(もちろん知っていると声を出しているわけではないが・・・)。
それに引き換え、人間は、それは私が知らなかったということも多い。組織がバラバラになって、別の事をやっていたり、実は別の人が同じ仕事を無駄にやっていることもある。よく国会議員が言い逃れのために、それは秘書のやったことで私は知らないといっているケースも多いが、中には本当に知らないこともあるかもしれない。だいたい、議員になる奴も議員の秘書になる奴も同じ穴の貉みたいな連中だろうし、どこかで一儲けしてやろうと思っていやがるに違いない(奴は少なくない)。議員本人ではなく、たかが議員秘書の癖に「先生」と呼ばれていい気になっている奴もいるくらいだ。
議員はさておき、組織においては、情報流通の仕組みも大切だが、経営理念、会社の考え、代表の考えを常に共有しておくことが必要だ。それに従って従業員が考えて動けるように。そうすればそれほどバラバラにもならなかろう。何かやらなければならないときに、組織であればどうすべきかを考える指針になる。
もちろん個人や部署、組織全体のスケジュール管理も効果的である。誰が何をやっているかを知ることがまず組織において重要ということだ。
CIAのような情報機関は、そもそも仲間内に対しても情報を遮断しておかなければならないから、難しいことは否定できない。隣の席に座っている奴が実はスパイかもしれないわけで・・・。
[教訓]
〇代表は全てを把握するための情報ハイウェイを社内に整備せよ。決して組織がバラバラに動くことのないように。